過冷却と結露-個別熱源編-

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こんにちは。
これまで以下の記事にて外気条件の変動に伴う結露の発生について紹介してきた。

そんな設備設計者泣かせの結露だが原因は外気が全てではない。
もちろん外気のみならず室内の環境によっても結露が発生する可能性もある。

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室内温湿度による露点温度時の絶対湿度の変化

境界条件として室内温湿度26℃50%の場合および室温を20℃(天カセ室内機では湿度は50%まで下げられないので記載省略)とした場合の室内の絶対湿度および吹出口の絶対湿度を確認する。
またその他境界条件として外気を直接取入れ排出する1種換気とする。
以下に空気線図を示す。

空気線図がわかっている前提で紹介するが、まず注目するべき部分が26℃の部分に縦方向に線を延長した。
相対湿度100%の交点が露点温度となりその時の絶対湿度が0.0215kg/kgとなる。
また露点温度20℃の時の絶対湿度は0.0150kg/kgとなる。
続いて温湿度が26℃50%の時の空調吹き出し温度を15℃95%と仮定するとその時の絶対湿度は0.0100kg/kgとなる。
室内温度20℃とした場合だが吹出温度の下限を13℃とすると13℃95%時の絶対湿度は0.0089kg/kgとなる。

なお空気線図の読み方がわからない方は以下を参照されたい。

室内温湿度26℃50%の時の結露発生条件

室内温湿度26℃50%の時における結露が発生する条件を記した。
特に吹き出し口付近で空気が滞留する部分についてはおおよそ0.0100kg/kg以上の空気が交わることで結露が発生する可能性が高くなる。

またその他空調空間については0.0215kg/kg以上の部分で結露が発生する可能性が高くなることとなる。

室内温度20℃の時の結露発生条件

室内温度20℃の時における結露が発生する条件を記した。
特に吹き出し口付近で空気が滞留する部分についてはおおよそ0.0089kg/kg以上の空気が交わることで結露が発生する可能性が高くなる。

またその他空調空間については0.0150kg/kg以上の部分で結露が発生する可能性が高くなることとなる。
前項に記した空気線図からも一目瞭然だが室内温度が20℃の方が露点温度時の絶対湿度が小さいためより結露する可能性があることとなる。

まとめ

今回はそんな室内の環境から発生しうる結露について紹介する。
結露が発生する要因は実にさまざまであることから一概にこの条件であれば100%結露するかしないかとは結論付けられないが一要因としては十分に考えられるだろう。

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