ダクト図の描き方_枝ダクト編

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はいこんにちは。
設備設計者が意外とできないこと。
そう。それは図面を一から書くということ。
特に設備設計者はコンセプトや建物の設備の考え方に注力することが主な業務であることからまず自分で作図を行うといったことはしない。
だとすると作図は一体誰が行うのか。
多くの設備設計を主とする会社にはCADオペレーターという方を別途雇っておりその方々が作図することがほとんどだ。
もしそういった方がいない場合は外注として協力事務所へ依頼する場合がほとんどだろう。
となると当然設備設計者は作図を行う機会を失う。
結果として図面を書けない設備設計者ができあがるわけだ。

それだけであればただ外注化しているだけなのでまだいいが近年では若手設備設計者が図面を読めない場合が多々ある。
読めないは言い過ぎかもしれないがなぜある図面では〇〇のように表記されているのかなどが細かいところまで理解できていない場合が多い。

今回はそんな設備設計者向けに設計図におけるダクト図の描き方を紹介する。

ダクト図とは

実はダクト図とは言っても実に色々なダクト図がある。

例えば空調機から空気を供給する場合における空調ダクト図。
はたまた全熱交換器や給排気ファンといった換気類や厨房を始めドラフトチャンバーやスクラバーといった局所排気に関する換気ダクト図。
さらには建物によりけりではあるが法的に必要な排煙ダクト図。
大きく分けて3種類にわかれる。
この3種類の図面はそれぞれ別々に描かれることもあれば一色単に描かれることもある。
(ただし排煙ダクト図は単独で描かれることが多いかとは思う)
これらの区分けは単に図面の見易さが理由である場合や積算業務上拾い種別をわける場合など様々な要因から決定される。
今回は主に空調ダクト図と換気ダクト図の枝ダクトについて紹介することとする。

ダクト図を描く前に

何はともあれまずは風量が決定されていることが一番大切だ。
それが決まっている上で続いて制気口の位置と数量を決定する。

ここまでの内容についてより深く知りたい方は以下のリンクから参照されたい。

換気量とはなにかについてはこちら。

人員の換気量についてはこちら。

制気口の位置の決め方についてはこちら。

ここまでが選定されてようやくダクト図を作成することができる。
特に今回は設計図を描くこととするので単線での描き方を紹介する。
(最近では官庁施設では複線で描くことが増えてきているがここではあくまでも単線図に焦点を当てることとする。)

ダクト図_枝ダクトの描き方

前項までで風量は決まっているはずなのでその空気の種類を確認する。

OAであるかそれともSAなのか、RAやEAであるのか。
それぞれによってまた描き方が異なるため注意が必要だ。
OAやSAの場合は制気口のシンボルとして四角に✖︎と記載する。
RAやEAの場合は四角に/で記すことが普通だ。
当然上記によらず別途特記して全く異なる記号で書いても良いが極力よく使われている記号で書いたほうが初めて見た人にもわかりやすい図面となる。

続いてダクトの径の算定についてだ。
ダクトの径算定に用いる表についてはインターネットで以下のワードで調べれば簡単に見つけられるだろう。

「ダクト径 表 圧損」

もしくは最近であればフリーソフトでダクトの径が簡単に求められるものもあるのでそちらを参考にされたい。

ダクトの算定だが基本的には単位圧損が1pa/m以下となるように求める。
余程のことがあれば1pa/mを超えても場合によっては良いだろうが1pa/mを超えると単位圧損が増える割にダクトの径が全然小さくならないと言ったことにもなりかねないので注意が必要だ。
その他あまり圧損が大きいと騒音の問題も気にする必要がある。

上記で求められたダクト径を図面に付記する。
またこの際にも注意点がある。
例えば図のようにダクトがたくさん枝分かれする場合だ。

特に忘れがちなことがある区間のダクト径を付記しないばかりにダクトの径が図面から読み取れなくなることだ。
とにかく大切なことが必ず至る部分の区間のダクトにダクト径を付記することだ。

今回は枝ダクトのみの紹介となるため主ダクト側に必要なファンなどの機器類や外気取入れもしくは排気に必要なベントキャップやガラリなどは省略する。

ダクト図_制気口リストと制気口BOXの計算方法

ダクトについて書き終えたところで次に制気口と制気口BOXについてだ。
これらのリストについては別途リストのみの図面としてまとめる場合もあればダクト図内に表現する場合もある。

書く位置はさておきだがまずは制気口の選定からだ。
特段理由がない限りは吹出しであればVHS、吸込みであればHSを用いることが多いかと思う。
それこそブリーズラインを使用する場合やアネモを用いる場合もあるが特に理由がない限りは上記2つが用いられることが多いだろう。
またVHSやHSを用いる場合は特別気流に配慮したりもしないであろうから通常であれば面風速2m/sで計算することとなる。
その際に必要な有効開口を計算したのちに開口率0.7で除して制気口に必要な開口を求める。
制気口が正方形であれば求められた開口の平方根より求められる。
これが制気口のサイズとなる。

続いて制気口BOXについてだがこれは制気口サイズ+200と考えるとわかりやすい。
実はBOXサイズについてはどの書籍でも触れられていないかと思われるが制気口+200あればまず文句を言われることもないだろう。
なおBOXの高さ方向は制気口から求めるのではなく接続されるダクト径から求めることとなる。
こちらも同様にダクト径+200mmと覚えておけばまず問題ないだろう。

内貼について

今回はダクトの保温ではなく制気口BOXについて触れることとする。

なおダクトの保温については以下で紹介している。

制気口BOXにグラスウールの内貼を設ける最大の理由は騒音の低減が理由だ。
騒音が理由であることから必然的にBOX内貼となる。
基本的には室内に静粛性が求められるかどうかで決めたら良い。
その場合も保温を見込む旨をリストに特記をしておかないと図面に漏れが生じることとなるため注意されたい。

まとめ

今回は設計図におけるダクト図_特に枝ダクトの描き方を紹介した。
普段から図面を描かないとなかなかなぜこうなっているのかと思う節がないかもしれない。
もし知らない情報があったとすればこれを機に豆知識的にでも覚えていただければいつかきっと役に立つかと思う。

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