ダンパーは何のためにある? -HFDの役割と設置例を紹介- 2023.02.162023.04.08 【↓ダクト講座一覧↓】(プルダウン) ダクト設備 (34)【ダクトの基礎】 ①ダクトの役割と仕組み ②ダクトの材料 ③ダクトの吊りと接続方法 ④保温の必要性 ⑤空調ダクトと換気ダクトの違い ⑥様々なダンパー ⑦VDの役割と設置例 ⑧CDの役割と設置例 ⑨MDの役割と設置例 ⑩FDの役割と設置例 ⑪HFDの役割と設置例 ⑫SFDを設けるケース ⑬HFDの設置位置と耐火ダクト ⑭FDを設けるかダクト迂回か ⑮CAVとVAVの役割と設置例 ⑯ガラリの役割 ⑰ベントキャップの役割 ⑱制気口の種類と使い分け ⑲制気口BOXの役割 ⑳制気口の結露防止 ㉑保温内貼り、外貼りの使い分け ㉒ブリーズライン上部のBOX ㉓アスペクト比【ダクトの計画・大きさ】 ①ダクトの大きさの決め方 ②矩形ダクトとスパイラルダクト ③ガラリの大きさの決め方 ④制気口の位置の決め方 ⑤制気口の大きさ計算方法 ⑥制気口の大きさ計算ツール ⑦制気口ボックスの大きさ計算方法【ダクトの描き方】 ①ダクト図の描き方 ②制気口リストの作り方 ③ガラリチャンバーリスト ④ダクトの描き方_枝ダクト こんにちは。 ダンパーを設置するうえでどのダンパーを選んだらよいかよくわからない。そんな風に思うことがあるかと思う。特にFDとHFDについてもどちらのダンパーを選んだらよいかよくわからないケースもあるだろう。FDとHFDともに構造自体は何ら変わらない。また法的に必要なダンパーである点も変わらない。FDもHFDも計画通知や確認申請時に数量や位置が正しいかについて必ずチェックが入る。 FDとHFDでいったい何が異なるのかよくわかっていない方も多いだろう。 今回はHFDの役割とその設置箇所例について紹介する。 (参考)HFD以外のダンパーについても一通り知りたい方は以下のリンクから確認頂ければと思う。 様々なダンパー -VD,CD,FD,SD,MDとそれらの役割を紹介-こんにちは。設備設計を行っていると必ずと言っていいほどダンパーという用語が出てくる。業界内ではよくVD,CDなどといった略語を使用する。設備設計初心者の方からすれば全く意味の分からない単語だろう。今回はダンパーの意味、種類とその役割について... コンテンツ HFDの役割FDとHFDの使い分け厨房排気ダクトについてHFDの設置箇所例まとめ HFDの役割 HFDはHigh Temperature Fire Damper と表記する。FDと同様に主に防火区画の貫通処理に用いられる。防火区画間での火災の延焼を防ぐためにHFDが設けられる。 FDとHFDの最大の違いは温度ヒューズの融解温度が異なることだ。FDもHFDもダンパー内に温度ヒューズが設けられている。FDの温度ヒューズの溶解温度は72℃だ。一方でHFDの温度ヒューズの融解温度は280℃となる。温度の差によってFDとHFDが区分されている。なおHFDはFD同様に法的(建築基準法)に定期点検(年1回)を行う必要がある。 FDとHFDの使い分け 前項ではFDとHFDで温度ヒューズの融解温度が異なる旨を紹介した。HFDが登場する場面は主に厨房からの排気ダクトだ。厨房内では火気や蒸気などを用いることが多く通常熱が発生する。また通常それぞれの厨房機器の上部に排気フードを設ける。排気フードに排気ダクトが接続され屋外に排気する。だがもともと厨房からの排気ダクトは高温になりがちだ。この排気ダクトにFDを設けてしまうと、特に火災が起こっていないときでもFDが閉となってしまうかもしれない。FDが閉となると実質排気ができないことにつながる。つまり火災でもないのに厨房からの排気ができなくなる恐れがある。厨房機器ではガスを扱うことがほとんどであり一酸化炭素が発生する。そのため正常に厨房からの排気ができないとかえって危険な状況となる。上記の問題を解決するために融解温度がより高いHFDを設置する。厨房等の超高温排気:HFD一般排気:FDとなる。 厨房排気ダクトについて 厨房排気ダクトは法的に板厚もしくはダクト材料を変更しなければならない。亜鉛鉄板の場合:板厚1サイズアップもしくはステンレス鋼板また保温材料はロックウール50mmを用いる必要がある。 HFDの設置箇所例 HFDの設置場所はHFDの性質上FDと変わらないため以下の記事を参考にしていただければと思う。 ダンパーは何のためにある? -FDの役割と設置例を紹介-こんにちは。普段様々な設計図を眺めていると何のためにこんなところにダンパーがあるの?などと不思議に思ったことはないだろうか。VDをはじめCDやMDなど様々なダンパーがある。これらは調整用や制御を行うために使われるダンパーだ。一方で法的に必要... まとめ 今回はHFDの役割とその設置箇所例について紹介した。HFDもFDと同様に法的なダンパーであるため忘れずに設計図へ盛り込むようにされたい。
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