こんにちは。
今回も空気線図の使い方について紹介する。
今回は特に除湿量(結露の量)について。
結露が発生するメカニズムは理解された方向けに次へのステップとして結露する量(除湿量)を算出する方法をケーススタディを交えて紹介する。
(なお除湿量と結露の量の計算は同じであるためここでは同一であるものとして扱うこととする)
空気線図の基本について知りたい方は以下よりご確認いただければと思う。
【ケース1】
東京における外気を用いることとする。
外気空気状態が33℃80%。
室内空気状態が26℃50%
とそれぞれ設定する。
【ケース2】
日本ではまず考えられない外気を用いて計算してみる。
外気空気状態が33℃80%。
室内空気状態が26℃50%
とそれぞれ設定する。
また室内機の吹き出し空気空気は16℃90%とする。
室内機からの還気吹出温度差は10℃程度だが何度か循環し徐々に16℃90%となるため16℃90%時の絶対湿度と外気条件時の絶対湿度が混在することとなる。
室内機からは980CMHの風量が供給されることとする。
【ケース1】
各空気状態を空気線図上にプロットした。
ケース1では外気絶対湿度の0.0210kg/kgおよび室内機吹出絶対湿度の0.0103kg/kgの二種類を使用して算出する。
【ケース2】
ケース1同様に各空気状態を空気線図上にプロットした。
ケース2では外気絶対湿度の0.0260kg/kgおよび室内機吹出絶対湿度の0.0103kg/kgの二種類を使用して算出する。
結露量の算出方法
結露量の計算式を紹介する。
加湿量の計算方法をご存じの方はその方法と同じなので読み飛ばしていただいて構わない。
結露量[kg/h] = 空気密度[kg/m3] x 風量[m3/h] x 絶対湿度差[kg/kg]
となる。
以下にケースごとにおける結露量を算出する。
【ケース1】
1.2[kg/m3] x 980[m3/h] x (0.0210[kg/kg] – 0.0103[kg/kg]) = 12.58kg/h
となる。
1kg=1Lなので以下のように読み替えられる。
12.58kg/h = 12.58L/h =0.210L/min
となる。
従って上記の条件の場合1分あたり210mLの結露水が発生することとなる。
【ケース2】
1.2[kg/m3] x 980[m3/h] x (0.0260[kg/kg] – 0.0103[kg/kg]) = 18.46kg/h
となる。
1kg=1Lなので以下のように読み替えられる。
18.46kg/h = 18.46L/h =0.307L/min
となる。
従って上記の条件の場合1分あたり307mLの結露水が発生することとなる。
おまけ_室内機のドレン配管
今回算出した結露量(ドレンの量)を用いてドレン配管の口径を求めることとする。
なお上記に紹介している表はマニングの公式と言って配管径および勾配ごとに排水することができる上限を示したものだ。
マニングの公式についてより知りたい方は以下を参照頂きたい。
【ケース1】
まずはケース1の場合について確認する。
排水量は
0.210L/min = 0.0035L/sec
となる。
従って上記のマニングに記載の方式のいずれの配管径および配管勾配においても排水可能となる。
【ケース2】
次にケース2の場合について確認する。
排水量は
0.307L/min = 0.0051L/sec
となる。
ケース1同様に上記のマニングに記載の方式のいずれの配管径および配管勾配においても排水可能となる。
本稿は完全に余談だがドレン排水として水漏れが発生する際はドレン配管の径は特段問題ないことが示唆される。
まとめ
今回は結露の量の算出方法についてケーススタディを交えて紹介した。
外気条件により結露の量が異なることと室内外の絶対湿度差が大きいほど結露が発生しやすいことを紹介した。
空気線図が様々な用途に使えることを理解いただければと思う。
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