ホーム > 空気線図 空気線図が読めるようになる! 除湿量(結露量)の計算方法を紹介 2022.04.022023.03.18 【↓空気線図講座一覧↓】(プルダウン) 空気線図 (21)【空気線図の基本】 ①空気線図の基本1 ②空気線図の基本2 ③エンタルピーとは ④除湿量の計算補法 ⑤加湿量の計算方法 ⑥飽和効率とは ⑦相対湿度と絶対湿度【空気線図上での空調機の動き】 ⑧空調機冷却時の動き ⑨空調機加熱時の動き ⑩室内負荷と外気負荷 ⑪顕熱と潜熱【空気線図上での全熱交換器の動き】 ⑫全熱交換器を用いた場合 ⑫全熱交換器と加湿量【空気線図上でみる結露】 ⑬コーヒーの湯気と結露 ⑭コップの結露 ⑮車の窓に発生する結露 ⑯部屋の隅にできる結露 ⑰過冷却と結露【空気線図上でみる近年の湿度】 ⑱外気相対湿度の推移 ⑲外気絶対湿度の推移1 ⑳外気絶対湿度の推移2 こんにちは。今回も空気線図の使い方について紹介する。今回は特に除湿量(結露の量)について。結露が発生するメカニズムは理解された方向けに次へのステップとして結露する量(除湿量)を算出する方法をケーススタディを交えて紹介する。(なお除湿量と結露の量の計算は同じであるためここでは同一であるものとして扱うこととする)空気線図の基本について知りたい方は以下よりご確認いただければと思う。 空気線図が読めるようになる!空気線図って理解するまでがすごく難しい。縦軸があって横軸があるまでならまだしも相対湿度は曲線だしエンタルピーは斜線だし。あんな複雑なグラフ読めないっっって方必見!空気線図が読めるようになるだけで空気の冷却加熱プロセスが理解できる上に例えば空... コンテンツ 今回の結露量算出にあたっての空気条件結露量の算出方法おまけ_室内機のドレン配管まとめ 今回の結露量算出にあたっての空気条件 【ケース1】東京における外気を用いることとする。外気空気状態が33℃80%。室内空気状態が26℃50%とそれぞれ設定する。 【ケース2】日本ではまず考えられない外気を用いて計算してみる。外気空気状態が33℃80%。室内空気状態が26℃50%とそれぞれ設定する。 また室内機の吹き出し空気空気は16℃90%とする。室内機からの還気吹出温度差は10℃程度だが何度か循環し徐々に16℃90%となるため16℃90%時の絶対湿度と外気条件時の絶対湿度が混在することとなる。室内機からは980CMHの風量が供給されることとする。 【ケース1】各空気状態を空気線図上にプロットした。ケース1では外気絶対湿度の0.0210kg/kgおよび室内機吹出絶対湿度の0.0103kg/kgの二種類を使用して算出する。 【ケース2】ケース1同様に各空気状態を空気線図上にプロットした。ケース2では外気絶対湿度の0.0260kg/kgおよび室内機吹出絶対湿度の0.0103kg/kgの二種類を使用して算出する。 結露量の算出方法 結露量の計算式を紹介する。加湿量の計算方法をご存じの方はその方法と同じなので読み飛ばしていただいて構わない。結露量[kg/h] = 空気密度[kg/m3] x 風量[m3/h] x 絶対湿度差[kg/kg]となる。以下にケースごとにおける結露量を算出する。【ケース1】1.2[kg/m3] x 980[m3/h] x (0.0210[kg/kg] – 0.0103[kg/kg]) = 12.58kg/hとなる。1kg=1Lなので以下のように読み替えられる。12.58kg/h = 12.58L/h =0.210L/minとなる。従って上記の条件の場合1分あたり210mLの結露水が発生することとなる。【ケース2】1.2[kg/m3] x 980[m3/h] x (0.0260[kg/kg] – 0.0103[kg/kg]) = 18.46kg/hとなる。1kg=1Lなので以下のように読み替えられる。18.46kg/h = 18.46L/h =0.307L/minとなる。従って上記の条件の場合1分あたり307mLの結露水が発生することとなる。 おまけ_室内機のドレン配管 今回算出した結露量(ドレンの量)を用いてドレン配管の口径を求めることとする。なお上記に紹介している表はマニングの公式と言って配管径および勾配ごとに排水することができる上限を示したものだ。マニングの公式についてより知りたい方は以下を参照頂きたい。 【必見】排水勾配と排水量がわかる-マニングの公式-はいこんにちは。普段排水の計算をしていて行政などからマニングの公式やクッターの公式を用いて計算するよう指導された経験はないだろうか。そのように指導された場合建築設備設計基準に記載の計算方法と異なるため困ってしまう方も多いかと思う。また純粋に... 【ケース1】まずはケース1の場合について確認する。排水量は0.210L/min = 0.0035L/secとなる。従って上記のマニングに記載の方式のいずれの配管径および配管勾配においても排水可能となる。【ケース2】次にケース2の場合について確認する。排水量は0.307L/min = 0.0051L/secとなる。ケース1同様に上記のマニングに記載の方式のいずれの配管径および配管勾配においても排水可能となる。本稿は完全に余談だがドレン排水として水漏れが発生する際はドレン配管の径は特段問題ないことが示唆される。 まとめ 今回は結露の量の算出方法についてケーススタディを交えて紹介した。外気条件により結露の量が異なることと室内外の絶対湿度差が大きいほど結露が発生しやすいことを紹介した。空気線図が様々な用途に使えることを理解いただければと思う。
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