こんにちは。
空調配管を計画する際によく上司や同僚の方からリバースリターン方式で計画しなさいと言われることはないだろうか。
その際にそもそもリバースリターン方式って何?と思った方もいるだろう。
そんな中一方でダイレクトリターン方式といった用語も併せて耳にすることだろう。
今回はダイレクトリターン方式とリバースリターン方式の違いについて紹介する。
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配管と空調機器のフローを示す。
例えば空調機器が4台設置されている場合だ。
ダイレクトリターン方式とは最も近い空調機器から順に冷温水往き管および冷温水還り管を順に設置していくことを示す。
結果最も近い位置に設置されている空調機器に冷温水が流れやすい。
一方最も遠い位置に設置されている空調機器には冷温水が流れづらい性質を持つ。
冷温水が流れづらいということは空調機器を運転してもなかなか冷暖房ができないことを示す。
リバースリターン方式とは
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続いてリバースリターン方式について紹介する。
リバースリターン方式とは最も近い空調機器から順に冷温水往き管を設置し最も遠い空調機器から冷温水還り管を順に設置していくことを示す。
どの空調機器においても配管長さがほとんど変わらない。
そのため空調機器によって冷温水が流れやすい、流れづらいといったことが起こりづらいことが特徴だ。
ダイレクトリターン方式の場合における圧力損失
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実際にダイレクトリターン方式の場合にどの程度圧力損失が変わるかを紹介する。
上図に示す空調機器が5台の場合について空調機器ごとの圧力損失を算出してみる。
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数字と文字だらけで見づらいかもしれないので以下に抜粋する。
空調機1の区間抵抗_56.4kPa(揚程:5.75m)
空調機2の区間抵抗_62.5kPa(揚程:6.37m)
空調機3の区間抵抗_71.0kPa(揚程:7.24m)
空調機4の区間抵抗_80.4kPa(揚程:8.20m)
空調機5の区間抵抗_89.4kPa(揚程:9.11m)
空調機1と空調機5の区間抵抗差が33.0kPa(揚程:3.36m)となる。
揚程3.36mとは水を押し上げる力が3.36mあることになり。
もしそこで配管を開放すると水が3.36m吹き上げることを指す。
かなりの圧力差があることが想像できるだろう。
リバースリターン方式の場合における圧力損失
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続いてリバースリターン方式の場合における圧力損失を紹介する。
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数字と文字だらけで見づらいかもしれないので以下に抜粋する。
空調機1の区間抵抗_94.4kPa(揚程:9.62m)
空調機2の区間抵抗_92.9kPa(揚程:9.48m)
空調機3の区間抵抗_92.5kPa(揚程:9.43m)
空調機4の区間抵抗_92.9kPa(揚程:9.48m)
空調機5の区間抵抗_92.0kPa(揚程:9.38m)
空調機1と空調機5の区間抵抗差が2.4kPa(揚程:0.24m)となる。
前項のダイレクトリターン方式と比較すると抵抗差が少ないことがわかるだろう。
配管数量
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次にダイレクトリターン方式とリバースリターン方式の場合の配管の数量について紹介する。
本数量は前項で紹介した圧力算出の際に使用した図を基に作成した。
ダイレクトリターン方式およびリバースリターン方式とも配管径25Aから40Aまでの配管数量に変化はない。
一方で50Aの配管についてはリバースリターン方式の方がダイレクトリターン方式の配管数量の倍以上といった結果だ。
一般にリバースリターン方式とすると配管数量が増える傾向がある。
まとめ
今回はダイレクトリターン方式とリバースリターン方式の違いについて紹介した。
リバースリターン方式の方が圧力損失差が少ないため配管内の流量がある程度均一になりやすいことを紹介した。
一方でダイレクトリターン方式の方が配管数量が少ない傾向となることを紹介した。
どちらの方式がよいかは建物規模や予算によるところもあるため建物ごとに方式を決められたい。
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