はいこんにちは。
普段排水の計算をしていて行政などからマニングの公式やクッターの公式を用いて計算するよう指導された経験はないだろうか。
そのように指導された場合建築設備設計基準に記載の計算方法と異なるため困ってしまう方も多いかと思う。
また純粋にある配管径である配管勾配の時にどれだけ水量が流れるか気にされたことはないだろうか。
今回はマニングの公式からどの程度の排水量を流すことができるかを紹介する。
マニングの公式と聞いてもいったい何のことやらって方も多いかと思う。
いわゆるある管径で勾配が〇〇%の時に○○L/secの流量だけ流れるといったものだ。
マニングの公式は次の式で表される。
V=(1/n)xR^(2/3)xI^(1/2)
但し
V=流速(m/s)
n=粘土係数(塩ビ0.010,陶管0.013)(無次元)
R=配管径(m)
I=勾配(%)
基本的には塩ビもしくは陶管しか配管材料として使用することはないかと思うのでnに0.010もしくは0.013を入れるだけでほとんど全て自動計算が可能だ。
なお次項でも紹介するが陶管の方が粘土係数が高いため許容排水量が小さくなる。
(最近では陶管すら用いられていないことも多々あるが。。。)
また特殊な要因によりその他の排水管種を使用される場合は粘度計数を各々調べていただければと思う。
配管径別勾配別許容排水量一覧表
前項で計算方法を紹介したが詰まるところ結果は?と皆さんが知りたい部分は結果だけだと思うのでその結果を紹介する。
こちらに示す図は配管の種別、配管径別、勾配別に排水可能な量を示したものだ。
こちらの表を見て意外と流れる。意外と流れないとそれぞれ思われた方もいるだろう。
たとえば東京の排水事前協議ではこちらの数値が(1%勾配のみだが)
(詳しくは東京都下水道局で公開している排水の手引きを参照)
マニングの公式の応用
こちらの式は排水廻りの行政協議の他に普段から使用されている日常の水回りにも応用可能だ。
例えば建築設備設計基準によれば手洗器の瞬時最大流量は8L/minと記載がある。
単位を変換すると0.13L/secへ変換ができ、先程のマニングの式に当てはめ配管径を50φとすれは例えば0.1%勾配で理論上は満足可能だ。
基本的には給水量を時間あたりで求めることができれば排水量も自ずと算出可能となる。
また時間あたりの給水量がわからない場合にも給水量自体がわかっていた上で排水するためにどのくらいの時間を要するかがイメージできれば同じく排水量の計算が可能だ。
なお、実際には建築設備設計基準や公共建築工事標準仕様書等では、配管径毎の排水勾配の下限を指定している。
例えば、50φであれば、1/50以上の勾配を設けることが基本となることに注意が必要だ。
以下の記事で排水管径毎の排水勾配について紹介しているため、確認頂ければと思う。
まとめ
今回はマニングの公式による配管径と排水勾配から排水量の算出まで紹介した。
また排水量を一般的な水栓に当てはめて配管径と排水勾配を紹介した。
マニングの公式は非常に簡易で便利なツールのため是非とも使いこなせるようになると排水についての考え方の視野が広がるためおすすめだ。
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