空気線図が読めるようになる! (車の窓に発生する結露)

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今回は車の中で特に窓に発生する結露について。
誰しもが経験あるかと思うが車の結露が起きたときの対処法を含めて事前に把握しておけば、突然のトラブルの際にもうまく対処ができるはずだ。

そもそも空気線図についてわからない方は過去の記事を紹介するので以下を参考にしてほしい。

ちなみに実際に直面する様々な事象における空気線図から見た考え方についてこちらでも紹介しているので興味がある方はこちらから。
・部屋の隅にできる結露
・コップの結露
・室内負荷と外気負荷
・車で発生する結露

冬期こそかなりの確率で発生する窓の結露。
いったいどのようなメカニズムで発生しているのか説明する。

空気線図にて説明を行う。
外部の空気に冷たく、車の中の空気の温度が高い場合。

空気温度が高ければ高いほど人から潜熱が発生する量が増え、相対湿度があがり、結露が起こりやすい。
(暑ければ暑いほど汗をかきやすいので)
特に窓面においては冷たい空気と社内の暖かい空気が熱交換する影響により窓表面の温度が外気温度にだんだんと近くなる。
(特に外気は大気に開放されているため、暖かくなった外気は大気へ開放されまた冷たい空気が窓表面へやってくる。)

すると車内窓表面の空気は徐々に冷え、やがて飽和状態となり結露が発生する。

冬期の結露を防ぐ方法

結露を防ぐ方法は大きく二つだろう。
一つ目は窓付近の空気を回してあげること。
(恐ろしく絵が下手だが伝わることを願う)

どういうことかというと窓表面付近の温度が外気により徐々に冷えてくる。
即ち車内窓付近の空気を滞留させないように配慮してあげれば、結露は発生しづらい。
具体的にはどの車にも標準搭載されているエアコンの吹出先を”窓表面”にしてあげればよい。
たったそれだけのことで結露の回避が可能だ。

二つ目に大切なことは車内の温度を上げすぎないことだ。
上げれば上げるほど相対湿度が高くなり結露が発生しやすくなる。
(とはいえ常識的な温度であれば一つ目を配慮するだけで十分だ)

結露が発生してしまったら_冬期

走行中に結露が発生し窓面が曇ってしまった場合は、以下の方法で即座に窓の曇りを解消しよう。

①窓表面に空調空気を送風する。
これは先ほどのとおりだが空調空気を送風するだけで結露自体が発生しづらくなるため効果的な方法だ。

②手かタオルなどで窓表面をふき取る。
これは完全に応急処置。
どのみち少し時間がたてばまた同じ現象が発生するため全くお勧めしない方法だ。

③窓を開ける
曇りを解消する方法がわからなければこれも一つの手だ。
冬なので寒いかもしれないが物理的に車内を外気と同じ温度とすることで結露を解消することが可能だ。

車の窓に発生する結露_夏期編

意外にも夏にも車の窓表面が結露することがある。
例えば車内の温度を下げすぎた場合だ。
(暑がりな自分はよくそういった環境になることがある。)

車内の空気を下げすぎることで、外気空気状態の露点温度以下の環境に車内がなるといとも簡単に結露する。

夏期の結露を防ぐ方法

夏期の結露を防ぐことは室内の温度を下げすぎないことだ。
としか言えない。
というのも結露を防ぐ方法は冬期とは真逆で外部側の空気状態を操作するしかないからだ。

しいて言うならば、車内の空調空気は間違っても窓面に吹かないこと。
窓面に吹くことで車内窓付近の温度が常時一定となり、結露を促進してしまう。

結露が発生してしまったら_夏期編

夏の結露は外側の窓が曇るため、手やタオルなどで無理やりふき取るといった方法が不可能だ。
そのため万が一の際夏期に結露が発生したら以下の方法で解消することをお勧めする。

①窓を開ける
窓を開ければ冬期同様車内外を同一空気状態にすることが可能なので結露が発生しなくなる。
②車内温度を上げる
後はこれしかない。車内の温度さえ緩和できれば結露が発生しづらくなる。

まとめ

車の結露は意外と頻繁に発生する。
意外と頻繁に発生する割には自動車教習所では一度も教えてくれない。
だから突然結露した時にパニックする初心者ドライバーが横行し、時に事故につながる。
これを読んだ方々の事故防止へ寄与することを望む。

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