こんにちは。
設備設計初心者の方でよくありがちな疑問。
それは主に空調システムだろう。
なぜこんなにも複雑な形をしているのか。
一部の設備がなくても問題ないのでは?
などいろいろと疑問を抱えることが多いと思う。
空調設備でよく見かける外調機もその疑問の一つだろう。
そもそもなぜ外調機が必要なのか。
今回は外調機の基本的な役割と外調機を見込むことによるメリットとデメリットを紹介する。
外調機とはいったい何なのだろうか。
よく空調機と混同する方が多いだろう。
だが基本的な機器の構造自体は空調機とほとんど同じだと言っていいだろう。
外調機とは主に外気を取り扱い外気を空調したうえで室内に供給することをいう。
一方でエアコンは室内の空気を空調して室内へ供給している。
この点が最も異なる部分だろう。
空調機の場合は外調機とエアコンの役割も行っていることがある。
室内の空気と外気を同時に取り込んで空調したうえで室内に供給しているケースがほとんどだろう。
(エアコンと同様の動きをしているケースもあるが)
外調機はあくまでも外気だけを扱うといった点が異なることが特徴だ。
次に外調機の内部構成を紹介する。
図中左から外気を取り入れる。
最初にフィルターで外気の粉じんを除去する。
その後コイルと呼ばれる部分で外気を冷やしたり暖めたりする。
冬期は加湿器により加湿したうえでファンにより空気を室内へ送る。
外調機と一概に言っても外調機の構成は上記の通りに見込まれていることが多い。
外調機のメリット① 室内温湿度の安定
外調機の大きな特徴として外気を空調したうえで供給するということだ。
例えば自宅にある換気扇。
その換気扇は外気をただ単に室内に取り入れているだけに過ぎない。
そのため外気が例えば40℃であれば40℃の空気が室内に流入していることになる。
そういった空気が室内に供給し続ける限りどうしても室内の温湿度は安定しない。
例えばその換気扇の近くに常時いる人を想像する。
するとその人は空調による空気というよりも換気扇からの空気を常時浴びることになるだろう。
大きな事務所などで局所的に暑い寒いなどとクレームが上がる理由の一つでもある。
外調機のメリット② 結露やカビが発生しにくい
外調機のメリットとして結露やカビが発生しにくいこともあるだろう。
外調機は空調した空気を室内に供給している。
そのためある程度湿度が処理された空気が室内に供給されることとなる。
そのため結露やカビが発生しづらくなる。
特に近年では外気の湿度が著しく上昇していることから結露やカビといったトラブルに敏感になっている方も多いことだろう。
近年の外気湿度の推移について詳しく知りたい方はこちらから。
外調機のデメリット① 導入コストが高い
もちろん外調機の導入に対しメリットがあればデメリットもある。
まず最初のデメリットとしては外調機の導入にコストがかかるということだろう。
外調機を導入する場合は原則として中央熱源方式とする必要がある。
いわゆる一般の家庭用エアコンとは異なり1台の室外機(熱源機)に対して複数台の室内機(空調機)が接続される方式だ。
空調システム全体の規模が大きくなりがちだ。
そのため必然的に導入コストが高くなる。
限定的な条件ではあるがこちらでコストの試算を紹介しているので興味のある方は確認頂ければと思う。
(なお紹介記事は機器にかかる費用のみで光熱費は計上していないため注意いただきたい)
外調機のデメリット② 外調機設置のスペースが必要
2つ目の外調機のデメリットとしては外調機の設置スペースが必要ということだろう。
外気を空調して室内へ供給するためそれ相応のスペースが必要になる。
建物の規模が小さいほど外調機の設置スペースの割合が相対的に増える傾向にある。
そのため小規模な建物であるほど外調機の設置スペースを捻出することが困難だろう。
まとめ
今回は外調機の基本的な役割と外調機を見込むことによるメリットとデメリットを紹介した。
外調機
役割・・・・・・外気を空調し室内に供給すること。
メリット①・・・室内温湿度の安定
メリット②・・・結露やカビが発生しづらい。
デメリット①・・導入コストが高い。
デメリット②・・外調機設置スペースが必要
メリットとデメリットを抑えたうえで外調機を計画を行っていただければと思う。
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