【初心者必見】ローリング計画の計画方法を紹介

はいこんにちは。
普段建築設備を計画する際に新築であれば特段ローリング計画というものを気にする必要はない。
しかし同一敷地内に複数の建物がありその中の一部の建物をを建て替える場合等においてはローリング計画を考慮する必要がある。
敷地と建物とが複雑化するほどローリング計画の重要性がより顕著となる。
今回はローリング計画とはいったい何なのかからローリング計画を行う上で重要なことを紹介する。

ローリング計画とは

そもそもローリング計画とは何なのだろうか。
例えば図のように同一敷地に2つの建物があるとする。
また給水、排水のインフラが図中のように埋設されていることとする。

一方でこちらが建て替え後の最終図のイメージだ。
建物Aが取り壊され代わりに建物Cが建てられた。
また給水管の位置も変わっており排水管も追加されている。

ローリング計画のイメージ

続いてローリング計画の計画手順について一例を紹介する。
こちらの図は前項で紹介した図を同じだ。
便宜上STEP-0と呼ぶこととする。

どうすればこちらの最後の絵が実現可能かを建物の取り壊しやインフラの盛替えを含めて順番立てて計画することをローリング計画という。
このローリング計画だが考え方が間違っていたり実際とは全然異なる位置にインフラがある場合等あるとその瞬間にローリング計画自体が破綻する可能性すらある点に注意されたい。
例えばインフラの盛替えの整合が取れていないだけで実は工事中のある期間丸々給水がある建物へ供給されなかったり排水機能が完全に途絶することもあり得る。
機械設備的目線だけであればその程度か、と思われる方もいるかもしれない。
ここでは紹介しないが例えば電気設備の通信線や電力関係の配線について今のような不整合があるとある既存建物自体の機能が全く維持されない可能性だってある。
ましてやそれがデーターセンターであったりその他通信上重要な役割を行うような建物であれば致命的になる。
(最悪設計瑕疵問題にまで発展することがある。)

ローリング計画は考え方が全てだが必ず整合が取れるようにしておかないと問題があとあと大きくなりやすい特徴がある。

前項の最終系にするためにはまず建物Cと給水管が干渉しているため給水管の盛替えが必要だ。
破線部が撤去分で実線部が新設分となる。

給水管の盛替えが完了すれば建物Cに対して干渉するインフラはなくなるため建物Cを新設することができる。
その際に建物Cのための給排水を合わせて追加工事する。
(ここでは排水桝の高さが整合していることとする)

建物C新築後は不要となった建物Aを解体する。
その際に建物Aに付随していた屋外埋設排水管も撤去する。

まとめ

今回はローリング計画とはいったい何なのかからローリング計画を行う上での重要事項等を紹介した。

ローリング計画の一例を紹介したが今回紹介した内容はあくまでも給排水のみについてだ。
実際には給排水以外にも通信や電力関係のインフラを始めガス配管についても並行して整理する必要がある。
また1敷地内で地域冷暖房的に他の建物へ熱供給している場合だと冷温水管や蒸気管などについても考えなければいけない。

今回紹介した内容はかなりシンプルなローリング計画だが実際にはこれよりもさらに複雑化することが多いことを認識いただければと思う。

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