はい。こんにちは!
住宅に住んでいていつも窓廻りが結露し窓廻り一帯がカビが生えた経験はないだろうか。
結露自体は有害ではないが結露によるカビの発生が一番の問題とされる。
特に最近では外気の湿度も年々上がっていることからより一層結露の問題に対してシビアに考えていく必要がある。
今回は空気線図を基にどのように近年の湿度が変化しているかを眺めてみることとする。
空気線図とはなんぞやという方はまずはこちらを確認してほしい。
空気線図についていろいろ紹介した記事はこちらから
通常我々がテレビなどで目にするのはいわゆる相対湿度だ。
相対湿度は通常○○%で表される空気状態の時にどれだけ水分を含むことが可能かをパーセントで示した指標だ。
ただこの相対湿度は少し厄介で取り扱いには注意が必要だ。
例えば外気が15℃で90%の空気の場合確かに湿度は高い。
一方で26℃で80%の空気と比較しよう。
確かに15℃90%の方が相対湿度は高いがそれは15℃の空気の中に含むことが可能な水分量がそもそも少ないからだ。
つまり26℃80%の方が相対湿度は低いけれども空気中に含んでいる水分量が多いことになる。
この絶対的な水分量を図る指標が絶対湿度というわけだ。
ちなみに15℃90%のときの絶対湿度は0.009565kg/kgで26℃80%のときの絶対湿度は0.016950kg/kgと倍近く異なる。
絶対湿度が上がるということは露点温度が高くなる。
露点温度が高くなるということはより高い温度で結露が発生することになる。
つまり結露が発生しやすくなる。
なぜ絶対湿度が上がることで露点温度が上がるのかについてわからない方はこちらで冷却プロセスを紹介しているので参考にされたい。
あとこちらでも結露と空気線図の関係性について細かく紹介しているので参考になるだろう。
近年の絶対湿度の推移 in東京
こちらに過去の絶対湿度の推移と参考として外気温度、外気エンタルピーの推移を紹介する。
気象庁で入手できる気象データ(東京)を用いて年次ごとの時系列を並べた。
月平均(1時間データで昼夜含む24時間を対象)のデータの最大値を各年の代表値としている。
青軸が外気温度[℃](第1軸)、赤軸が外気エンタルピ[kJ/kg](第1軸)、緑軸が外気絶対湿度[kg/kg](第2軸)
【外気温度】
外気温度は100年規模で比べるとわずかだが年々上昇している。
【外気絶対湿度】
十年単位程度ごとに絶対湿度が上昇・下降繰り返している。
2000年を境に一旦絶対湿度が落ち込むも2000年以降現在までの間は上昇傾向が続いており過去100年の中では最大値を記録している。
【外気エンタルピ】
外気エンタルピは外気温度の上昇と絶対湿度の上昇などに起因し推移しているといったところだろうか。
この中で結露に関係する数値は外気絶対湿度。
過去100年の中で特に最近では絶対湿度が高い傾向であることから結露に対してより敏感となっている部分もあるかと思う。
絶対湿度が上がる要因は諸説あるかと思われるが筆者が気象関係の専門ではないためコメントは控えておく。
絶対湿度が高いため露点温度が高くなり結露がより発生しやすい環境であることは明白だろう。
まとめ
今回は近年の外気絶対湿度の推移とその推察について紹介を行った。
特に近年はが外気絶対湿度が上昇傾向にあることからより結露が発生しやすい環境になりつつあることを示唆した。
今後結露対策についてどのように考えるかを模索するための判断材料とされればと思う。
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