様々なダンパー -VD,CD,FD,SD,MDとそれらの役割を紹介-

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こんにちは。
設備設計を行っていると必ずと言っていいほどダンパーという用語が出てくる。
業界内ではよくVD,CDなどといった略語を使用する。
設備設計初心者の方からすれば全く意味の分からない単語だろう。
今回はダンパーの意味、種類とその役割について紹介する。

ダンパーとは

まずはダンパーの意味について紹介する。
ダンパーとはダクトの途中に取り付けて空気の量や、方向(流れ)を調節、制限するものだ。
ダンパーの中に板状の羽根のようなものがある。
その羽根を開け閉めすること空気の量や、方向(流れ)を調節、制限できるわけだ。
例えば風量が大きすぎる場合はその羽根を少し閉めることで風量を低減することができる。

そんなダンパーだが主に以下の種類がある。

①ボリュームダンパー(VD)
②チャッキダンパー(CD)
③防火ダンパー(FD)
④防煙ダンパー(SD)
⑤モーターダンパー(MD)

これらについて以下に順に紹介していく。

ボリュームダンパー(VD)

ボリュームダンパーとは主に風量を調節する役割がある。
前項でも紹介したが風量が大きいようであればボリュームダンパーを少し閉めて風量を低減する。
また風量が小さいようであればボリュームダンパーを少し開けて調整する。
このような調整が可能だ。

但しボリュームダンパーで風量を絞るにしても限度がある。
まず風量が合わないときに最初に考えるべきことはダクトに接続されているファンの能力を見直すことだろう。
そのうえで最終的に風量を調整するためのものだと考えるべきだ。

なおボリュームダンパーは英語でVolume damperと表現される。

(参考)VDについてより詳しく知りたい方は以下のリンクからご確認いただければと思う。

チャッキダンパー(CD)

チャッキダンパーは空気の流れを一方向に制限する役割がある。
例えば空気の流れになった場合を想定する。
するとダンパー内の羽根が自動的に閉まる。
完全にシャットダウンすることで空気の逆流を防止することが可能だ。

これは主にあるダクトが他の系統のダクトと合流している場合に用いられることが多い。
または同一のガラリを複数のダクトで共有している場合にも用いられる。

なおチャッキダンパーは英語でCheck damperと表現される。

(参考)CDについてより詳しく知りたい方は以下のリンクからご確認いただければと思う。

ファイヤーダンパー(FD)

ファイヤーダンパーは火災防止時にダクトを通じて他の部屋へ熱を伝搬させない役割を持つ。
ファイヤーダンパー内には温度ヒューズが設置されている。
その温度ヒューズが溶けることでダンパーが自動的に閉じる仕組みだ。

通常防火ダンパーは72℃以上になることで自動的に閉鎖する。
一方で高温用のファイヤーダンパーもある。
そのダンパーは280℃以上になることで自動的に閉鎖する。
主に高温用はもともと高温となりやすい厨房系統のダクトに使用される。

なおファイヤーダンパーは英語でFire damperと表現される。
高温用ファイヤーダンパーは英語でHigh temperature fire damperと表現される。

(参考)FDおよびHFDについてより詳しく知りたい方は以下のリンクからご確認いただければと思う。

防煙ダンパー

防煙ダンパーは他の部屋への煙の伝搬を防止する役割がある。
防煙ダンパーは通常ダンパー単体で設置されることはない。

通常は煙感知器を別途用意しその煙感知器が作動することで防煙ダンパーが自動的に閉鎖される。

なお防煙ダンパーは英語でSmoke damperと表現される。

モーターダンパー

モーターダンパーは機器や風量などを制御する役割がある。
多くの場合はモーターダンパー単体で動くことはない。
例えば図示するように空調機と連動を取る際に用いられる。
空調機が停止することによりモーターダンパーも連動して閉とすることができる。
また他の例では室内にスイッチを設けてそのスイッチを押すことでダンパーを開にするといったことも可能だ。

なおモーターダンパーは英語でMotor damperと表現される。

(参考)MDについてより詳しく知りたい方は以下のリンクからご確認いただければと思う。

まとめ

今回はダンパーの意味、種類とその役割について紹介した。
設計初期のころはなかなか違いが分かりづらいかもしれない。
ただ役割の異なるダンパーを見込んでしまうと想定していたものとは全く異なる動きをするため是非とも覚えたい。

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