様々なダンパー -VD,CD,FD,SD,MDとそれらの役割を紹介-

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こんにちは。
設備設計を行っていると必ずと言っていいほどダンパーという用語が出てくる。
業界内ではよくVD,CDなどといった略語を使用する。
設備設計初心者の方からすれば全く意味の分からない単語だろう。
今回はダンパーの意味、種類とその役割について紹介する。

(参考)YouTubeで確認

ダンパーとは

まずはダンパーの意味について紹介する。
ダンパーとは、ダクトの途中に取り付けられ、空気の量や方向(流れ)を調節・制限するための装置である。
ダンパーの内部には、板状の羽根(ブレード)が設けられており、この羽根を開閉することで空気の量や方向(流れ)を調節・制限できる仕組みになっている。
例えば、風量が大きすぎる場合には、羽根を少し閉じることで風量を低減することができる。
このようなダンパーには、主に以下の種類がある。

① ボリュームダンパー(VD)
② チャッキダンパー(CD)
③ 防火ダンパー(FD)
④ 防煙ダンパー(SD)
⑤ モーターダンパー(MD)

これらについて、以下で順に紹介していく。

ボリュームダンパー(VD)

ボリュームダンパーとは、主に風量を調節する役割を持つダンパーである。
前項でも紹介したとおり、風量が大きい場合にはボリュームダンパーを少し閉めることで風量を低減できる。
一方、風量が小さい場合には、ボリュームダンパーを少し開けることで調整が可能である。
このように、ボリュームダンパーは風量の微調整を行うための装置である。

ただし、ボリュームダンパーによる風量調整には限度がある。
風量が適正でない場合に、まず検討すべきなのは、ダクトに接続されているファンの能力が適切かどうかである。
そのうえで、最終的な微調整手段としてボリュームダンパーを用いるべきだと考える必要がある。

なお、ボリュームダンパーは英語では Volume Damper と表記される。

(参考)VDについてより詳しく知りたい方は、以下のリンクからご確認いただければと思う。

チャッキダンパー(CD)

チャッキダンパーは、空気の流れを一方向に制限する役割を持つダンパーである。
例えば、空気が逆方向に流れようとした場合を想定すると、ダンパー内部の羽根が自動的に閉じる構造となっている。
これにより、ダンパーを閉鎖状態とし、空気の逆流を防止することが可能である。

チャッキダンパーは、主に複数のダクト系統が合流している場合に多く用いられる。
また、同一のガラリを複数のダクトで共有している場合にも、逆流防止の目的で設置されることがある。
なお、チャッキダンパーは英語では Check Damper と表記される。

(参考)CDについてより詳しく知りたい方は、以下のリンクからご確認いただければと思う。

ファイヤーダンパー(FD)

ファイヤーダンパー(防火ダンパー)は、火災発生時にダクトを通じて他室へ熱や火炎が伝搬するのを防止する役割を持つダンパーである。
ファイヤーダンパーの内部には温度ヒューズが設置されており、この温度ヒューズが一定温度で溶断することで、ダンパーが自動的に閉鎖する仕組みとなっている。

一般的な防火ダンパーは、周囲温度が72℃以上になると自動的に閉鎖する。
一方で、高温用ファイヤーダンパーと呼ばれるタイプも存在する。
このダンパーは、280℃以上になることで自動的に閉鎖する構造となっている。
高温用ファイヤーダンパーは、もともと高温になりやすい厨房系統のダクトなどに主に使用される。

なお、ファイヤーダンパーは英語では Fire Damper と表記される。
また、高温用ファイヤーダンパーは英語では High Temperature Fire Damper と表記される。

(参考)FDおよびHFDについてより詳しく知りたい方は、以下のリンクからご確認いただければと思う。

防煙ダンパー

防煙ダンパーは、火災発生時に他室へ煙が伝搬するのを防止する役割を持つダンパーである。

防煙ダンパーは、ダンパー単体で設置されることはほとんどない。

通常は、煙感知器を別途設置し、その煙感知器が作動することで、防煙ダンパーが自動的に閉鎖される仕組みとなっている。

なお、防煙ダンパーは英語では Smoke Damper と表記される。

モーターダンパー

モーターダンパーは、機器の運転状態や風量などを制御する役割を持つダンパーである。
多くの場合、モーターダンパーが単体で動作することはなく、他の機器や制御系統と連動して使用される。

例えば、空調機と連動させて使用するケースが挙げられる。
空調機が停止すると、それに連動してモーターダンパーも自動的に「閉」とすることが可能である。
また別の例として、室内にスイッチを設け、そのスイッチを操作することでダンパーを「開」にするといった制御も行われる。

その他に、ダンパーの開度を比例制御し、風量を変風量とすることも可能である。
但し、風量を制御しているわけではなく、あくまでもダンパーの開度を制御し、風量は成り行きとなる点に注意が必要である。

このように、モーターダンパーは自動制御や遠隔操作を可能にするダンパーとして用いられる。

なお、モーターダンパーは英語では Motor Damper と表記される。

(参考)MDについてより詳しく知りたい方は以下のリンクからご確認いただければと思う。

まとめ

今回はダンパーの意味、種類とその役割について紹介した。
設計初期のころはなかなか違いが分かりづらいかもしれない。
ただ役割の異なるダンパーを見込んでしまうと想定していたものとは全く異なる動きをするため是非とも覚えたい。

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