様々なダンパー -VD,CD,FD,SD,MDとそれらの役割を紹介- 2022.09.262024.03.16 【↓ダクト講座一覧↓】(プルダウン) ダクト設備 (34)【ダクトの基礎】 ①ダクトの役割と仕組み ②ダクトの材料 ③ダクトの吊りと接続方法 ④保温の必要性 ⑤空調ダクトと換気ダクトの違い ⑥様々なダンパー ⑦VDの役割と設置例 ⑧CDの役割と設置例 ⑨MDの役割と設置例 ⑩FDの役割と設置例 ⑪HFDの役割と設置例 ⑫SFDを設けるケース ⑬HFDの設置位置と耐火ダクト ⑭FDを設けるかダクト迂回か ⑮CAVとVAVの役割と設置例 ⑯ガラリの役割 ⑰ベントキャップの役割 ⑱制気口の種類と使い分け ⑲制気口BOXの役割 ⑳制気口の結露防止 ㉑保温内貼り、外貼りの使い分け ㉒ブリーズライン上部のBOX ㉓アスペクト比【ダクトの計画・大きさ】 ①ダクトの大きさの決め方 ②矩形ダクトとスパイラルダクト ③ガラリの大きさの決め方 ④制気口の位置の決め方 ⑤制気口の大きさ計算方法 ⑥制気口の大きさ計算ツール ⑦制気口ボックスの大きさ計算方法【ダクトの描き方】 ①ダクト図の描き方 ②制気口リストの作り方 ③ガラリチャンバーリスト ④ダクトの描き方_枝ダクト こんにちは。設備設計を行っていると必ずと言っていいほどダンパーという用語が出てくる。業界内ではよくVD,CDなどといった略語を使用する。設備設計初心者の方からすれば全く意味の分からない単語だろう。今回はダンパーの意味、種類とその役割について紹介する。 コンテンツ ダンパーとはボリュームダンパー(VD)チャッキダンパー(CD)ファイヤーダンパー(FD)防煙ダンパーモーターダンパーまとめ ダンパーとは まずはダンパーの意味について紹介する。ダンパーとはダクトの途中に取り付けて空気の量や、方向(流れ)を調節、制限するものだ。ダンパーの中に板状の羽根のようなものがある。その羽根を開け閉めすること空気の量や、方向(流れ)を調節、制限できるわけだ。例えば風量が大きすぎる場合はその羽根を少し閉めることで風量を低減することができる。そんなダンパーだが主に以下の種類がある。①ボリュームダンパー(VD)②チャッキダンパー(CD)③防火ダンパー(FD)④防煙ダンパー(SD)⑤モーターダンパー(MD)これらについて以下に順に紹介していく。 ボリュームダンパー(VD) ボリュームダンパーとは主に風量を調節する役割がある。前項でも紹介したが風量が大きいようであればボリュームダンパーを少し閉めて風量を低減する。また風量が小さいようであればボリュームダンパーを少し開けて調整する。このような調整が可能だ。 但しボリュームダンパーで風量を絞るにしても限度がある。まず風量が合わないときに最初に考えるべきことはダクトに接続されているファンの能力を見直すことだろう。そのうえで最終的に風量を調整するためのものだと考えるべきだ。なおボリュームダンパーは英語でVolume damperと表現される。(参考)VDについてより詳しく知りたい方は以下のリンクからご確認いただければと思う。 ダンパーは何のためにある? -VDの役割と設置例を紹介-こんにちは。普段様々な設計図を眺めていると何のためにこんなところにダンパーがあるの?などと不思議に思ったことはないだろうか。例えば法的に必要なFDは比較的役割がわかりやすいだろう。FDは主にダクトが防火区画を貫通する際に用いられる。そのため... チャッキダンパー(CD) チャッキダンパーは空気の流れを一方向に制限する役割がある。例えば空気の流れになった場合を想定する。するとダンパー内の羽根が自動的に閉まる。完全にシャットダウンすることで空気の逆流を防止することが可能だ。 これは主にあるダクトが他の系統のダクトと合流している場合に用いられることが多い。または同一のガラリを複数のダクトで共有している場合にも用いられる。なおチャッキダンパーは英語でCheck damperと表現される。(参考)CDについてより詳しく知りたい方は以下のリンクからご確認いただければと思う。 ダンパーは何のためにある? -CDの役割と設置例を紹介こんにちは。普段設計をしていると様々なダンパーを扱う。例えば防火区画処理に必要なFDもその一つだ。他にも何か他の機器と連動させたりするためにはMDが使用されることもある。風量調整においてはVDが活躍する。一方でCDはどんな場合に使用されるだ... ファイヤーダンパー(FD) ファイヤーダンパーは火災防止時にダクトを通じて他の部屋へ熱を伝搬させない役割を持つ。ファイヤーダンパー内には温度ヒューズが設置されている。その温度ヒューズが溶けることでダンパーが自動的に閉じる仕組みだ。 通常防火ダンパーは72℃以上になることで自動的に閉鎖する。一方で高温用のファイヤーダンパーもある。そのダンパーは280℃以上になることで自動的に閉鎖する。主に高温用はもともと高温となりやすい厨房系統のダクトに使用される。なおファイヤーダンパーは英語でFire damperと表現される。高温用ファイヤーダンパーは英語でHigh temperature fire damperと表現される。(参考)FDおよびHFDについてより詳しく知りたい方は以下のリンクからご確認いただければと思う。 ダンパーは何のためにある? -FDの役割と設置例を紹介-こんにちは。普段様々な設計図を眺めていると何のためにこんなところにダンパーがあるの?などと不思議に思ったことはないだろうか。VDをはじめCDやMDなど様々なダンパーがある。これらは調整用や制御を行うために使われるダンパーだ。一方で法的に必要... ダンパーは何のためにある? -HFDの役割と設置例を紹介-こんにちは。ダンパーを設置するうえでどのダンパーを選んだらよいかよくわからない。そんな風に思うことがあるかと思う。特にFDとHFDについてもどちらのダンパーを選んだらよいかよくわからないケースもあるだろう。FDとHFDともに構造自体は何ら変... 防煙ダンパー 防煙ダンパーは他の部屋への煙の伝搬を防止する役割がある。防煙ダンパーは通常ダンパー単体で設置されることはない。 通常は煙感知器を別途用意しその煙感知器が作動することで防煙ダンパーが自動的に閉鎖される。 なお防煙ダンパーは英語でSmoke damperと表現される。 モーターダンパー モーターダンパーは機器や風量などを制御する役割がある。多くの場合はモーターダンパー単体で動くことはない。例えば図示するように空調機と連動を取る際に用いられる。空調機が停止することによりモーターダンパーも連動して閉とすることができる。また他の例では室内にスイッチを設けてそのスイッチを押すことでダンパーを開にするといったことも可能だ。なおモーターダンパーは英語でMotor damperと表現される。 (参考)MDについてより詳しく知りたい方は以下のリンクからご確認いただければと思う。 ダンパーは何のためにある? -MDの役割と設置例を紹介こんにちは。建築設備では様々なダンパーが用いられる。そのダンパーの中でもMDは機器等と連動して動く。いわゆるMD以外のダンパーは連動しては動かない。例えばVDの開閉は手動で開閉するのみにとどまる。CDは風の流れにより自然とダンパーが開閉され... まとめ 今回はダンパーの意味、種類とその役割について紹介した。設計初期のころはなかなか違いが分かりづらいかもしれない。ただ役割の異なるダンパーを見込んでしまうと想定していたものとは全く異なる動きをするため是非とも覚えたい。
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