【意外と簡単】SFDを設けるケース

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こんにちは。
普段ダクトを計画するうえである箇所の防火区画貫通はFDでまた異なる箇所の防火区画貫通はSFDなどFDとSFD(SD)の使い分けが難しいと感じている方がおられるかと思う。
確かに法規を読みだすとFDとSFDの使い分けについてさらに混乱しそうな文言が書いてあったりもする。
ただ実際にはそこまで難しいものではなく意匠担当が丁寧に法規チェック図さえ作っていれば非常に簡単に整理することが可能だ。
今回はFDとSFDの使い分けについての基本的事項を紹介する。

そもそもFDとSFDとは

まず本題に入る前にFDとSFDの違いについて紹介する。

それぞれの意味
FD・・・fire damper(防火ダンパー)の略
SFD・・・smoke fire damper(防煙防火ダンパー)の略
SD・・・smoke damper(防煙ダンパー)の略

今回の略語にSDも掲載したが基本的にはFDとSFDの差が理解できていればおのずとSDを設ける位置についても理解が可能なため今回はFDとSFDに絞って説明をする。

FDおよびSFDのFは防火を意味しており温度ヒューズによってある一定以上の温度になると自動的に閉鎖する機構を持つダンパーである。
一方でSFDのSは防煙を意味しており別途設置が必要な煙感知器により煙を感知したら自動的に閉鎖する機構を持つダンパーを指す。
即ちSFDの場合は温度ヒューズもしくは煙感知器のいずれかをトリガーとしてダンパーが閉鎖されるということとなる。

ケース1 -複数の階をダクトが縦断する場合-

まずはケース1について。
複数の階をダクトが縦断する場合だ。
図示するポンチ絵は断面イメージを示している。
3階だての建物で3階からファンを用いて外気を取り入れている。
外気は3階から取り入れ3階室内および2階の室内へ吹き出す。

基本的に複数の階をまたいでそれぞれで空気を吹き出す場合にはSFDが必要だ。
例えば万が一2階で火災があったとしよう。
室内の温度上昇よりも煙が伝搬する速度の方が早いため2Fと3Fの室内がダクトを通じてつながってしまっていると3Fへすぐ伝搬してしまう。
その際にFDを設けていただけでは階をまたいだ煙の伝搬は防ぐことができないためSFDが必要となる。

続いてはこちらの図だ。
先ほどとは異なり3Fから外気を取り込み2Fのみへ外気が供給されている絵だ。

この場合は3F床貫通部のダクトはFDとして問題はない。
というのももし2Fで火災があったとしてもダクトを通じて3Fの室内では開放されている部分がなく煙が伝搬されないからだ。

ケース2 -異種用途区画を貫通する場合-

続いては異種用途区画を貫通する場合においてのSFDの要否を確認する。
図中は異種用途区画貫通前と貫通後にそれぞれ外気が解放されている。

異種用途区画間においても火災時の空気の伝搬がNGのため上記の場合はSFDを設け火災時の煙の伝搬を阻害する必要がある。

一方でこちらの図のように異種用途区画を貫通しているが異種用途区画貫通前の部分において室内へ外気の開放がない場合はSFDの必要はない。
なぜなら3Fで火災が発生しても異種用途区画貫通前と後それぞれにダクトの開口はないため各区画間で煙の伝搬は発生しないからだ。

まとめ

今回はFDとSFDの役割から各区画貫通においてどのダンパーを用いればよいかについて紹介した。
今回紹介した内容は基本中の基本ではあるがあらかじめ知っておかないとSFDを設け忘れ煙感知器を追加設置する必要があったりと意外と変更内容が多い。
そんなことにならないように設備設計の基本は確実に覚えておいておくことをお勧めする。

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