ダンパーは何のためにある? -VDの役割と設置例を紹介- 2023.02.102024.01.07 【↓ダクト講座一覧↓】(プルダウン) ダクト設備 (34)【ダクトの基礎】 ①ダクトの役割と仕組み ②ダクトの材料 ③ダクトの吊りと接続方法 ④保温の必要性 ⑤空調ダクトと換気ダクトの違い ⑥様々なダンパー ⑦VDの役割と設置例 ⑧CDの役割と設置例 ⑨MDの役割と設置例 ⑩FDの役割と設置例 ⑪HFDの役割と設置例 ⑫SFDを設けるケース ⑬HFDの設置位置と耐火ダクト ⑭FDを設けるかダクト迂回か ⑮CAVとVAVの役割と設置例 ⑯ガラリの役割 ⑰ベントキャップの役割 ⑱制気口の種類と使い分け ⑲制気口BOXの役割 ⑳制気口の結露防止 ㉑保温内貼り、外貼りの使い分け ㉒ブリーズライン上部のBOX ㉓アスペクト比【ダクトの計画・大きさ】 ①ダクトの大きさの決め方 ②矩形ダクトとスパイラルダクト ③ガラリの大きさの決め方 ④制気口の位置の決め方 ⑤制気口の大きさ計算方法 ⑥制気口の大きさ計算ツール ⑦制気口ボックスの大きさ計算方法【ダクトの描き方】 ①ダクト図の描き方 ②制気口リストの作り方 ③ガラリチャンバーリスト ④ダクトの描き方_枝ダクト こんにちは。 普段様々な設計図を眺めていると何のためにこんなところにダンパーがあるの?などと不思議に思ったことはないだろうか。例えば法的に必要なFDは比較的役割がわかりやすいだろう。FDは主にダクトが防火区画を貫通する際に用いられる。そのため防火区画付近に設置されていることがほとんどだ。その他にもMDも比較的役割がわかりやすい。MDを用いて風量等を制御するために設けられるからだ。 一方でVDの場合はどうだろうか。一見すると特に何の役割はないようにも見える。だが実際にはVDも必要があるからこそ設置している。 今回はVDの役割とその設置箇所例について紹介する。 (参考)VD以外のダンパーについても一通り知りたい方は以下のリンクから確認頂ければと思う。 様々なダンパー -VD,CD,FD,SD,MDとそれらの役割を紹介-こんにちは。設備設計を行っていると必ずと言っていいほどダンパーという用語が出てくる。業界内ではよくVD,CDなどといった略語を使用する。設備設計初心者の方からすれば全く意味の分からない単語だろう。今回はダンパーの意味、種類とその役割について... コンテンツ VDの役割VDの設置箇所例まとめ VDの役割 VDはVolume Damper と表記する。つまり風量調整用ダンパーだ。風量調整は主に施工中に行われる。ダクトやファンを据え付けた後に建物全体の制気口部分で風量を計測、測定する。その際に風量調整を行いながら設計図で求められている風量に合わせる。ほとんどの場合は設計図の風量ピッタリとはならない。そのため実際には設計図の風量±20%程度の間で調整される。 この風量を調整する際にVDがあればダンパーの開度を開いたり絞ったりして風量を調整することが可能だ。VDがない場合は制気口部分のシャッターで風量を調整するほかなくなる。だがシャッターだけでは大きく風量を操作できないため風量調整はかなり困難となる。VDを設けることで風量調整を比較的容易なものとしている。 VDの設置箇所例 次にVDの設置場所例を紹介する。 ① ファンの吸込側 ファンの吸込側にVDを設けることが一般的だ。ファンが設置されているということは、最終的に必ず風量調整を行う必要があるためだ。 ② 制気口までのダクト長さが大きく変わる部分 例えば図のようにダクトから次々と制気口へ分岐する場合にもVDを設置することが多い。VDの設置数量が多ければ多いほど風量調整が容易だが、VDの設置数に比例して費用も増加する。そのためある程度の領域毎にVDを設置するケースも多い。 ③ 空調機に接続される各ダクト 空調機に接続される各ダクト部分にもVDが設置されることが多い。例えば外気の取入部及び室内からの還気ダクトのどちらにもVDが設置されていない場合それぞれの風量の割合を調整できない。また外気ダクト、還気ダクトのどちらか一方にしかVDが設置されていない場合にも風量を調整できない恐れがある。 風量が大きい側のダクトにVDが設けられていればよいだろう。(風量が少ない側のダクトにVDが設けられている場合は風量の調整ができない。)なお空調機の吐出側にはMDやCAV、VAVが用いられるケースが多いだろう。 まとめ 今回はVDの役割とその設置箇所例について紹介した。それぞれのダンパーの役割を理解した上でどのダンパーを用いるべきかを判断することをお勧めする。
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