インバート桝と溜桝 -それぞれの違いを紹介-

こんにちは。

外構の排水を計画を考えるときに考える必要のある排水桝。
この排水桝には大きく2種類ある。
一つがインバート桝でもう一つが溜桝だ。
設備設計を始めたばかりの方や排水桝の計画をされたことがない方からすればよくわからない用語だろう。

今回はインバート桝と溜桝の違いを紹介する。

インバート桝とは

インバート桝とは図のような桝のことを言う。
排水桝内の中央部に溝を掘ることで水を流しやすくしている。
この排水桝は通常排水桝を設置後に部分的に溝を作る様にモルタルを充填し仕上げる。

溜桝とは

溜桝とはとは図のような桝を示す。
つながる配管の位置がインバート桝に比べて少し高いことが特徴だ。
こうすることで溜桝下部に泥や固形物などを貯めることができる。

インバート桝と溜桝の使い分け

ここまでインバート桝と溜桝についてそれぞれ紹介した。
次はそれぞれの排水桝をどのように使い分けるかについて紹介する。

インバート桝は主にトイレなどからの汚水を排水するために使用される。
もしトイレなどからの排水配管に溜桝を接続するとどうなるだろうか。
トイレから排泄物だけではなくトイレットペーパーなども流れる。
溜桝に導いてしまうとそれらが溜桝の部分で堆積されてしまう。
また臭気が発生する排水が溜まってしまうこと自体衛生的に望ましくないこともある。

一方溜桝は主に雨水を排水するときに用いられる。
雨水を扱う以上どうしても排水桝内の雨とともに泥等も流入してくる。
それらのを排水管に流せば流すほど排水管内および排水先が泥だらけになってしまう。
そういったことを避けるために溜桝が用いられる。

他にもある -排水桝の種類-

前述までで紹介した排水桝以外にも様々な種類がある。
ここではトラップ桝について紹介する。

トラップ桝とは図のような排水桝だ。
例えば厨房からの排水に使われることもある。
(ある程度の規模になると厨房からの排水は別途グリーストラップもしくは別途排水処理が行われることが多い。)

溜桝と若干似ていると思った方もいるだろう。
例えば厨房からは排水以外にも野菜や果物の皮であったり肉の残骸などが一緒に排水されることが多い。
それらの水溶性ではないものを排水管に流してしまうと排水管内で詰まってしまう可能性がある。
そういったことを避けるために溜桝のような形状となっている。

また一方で厨房からの排水には油分が流されることもある。
経験がある方もいるかもしれないが油は冷えると固まる。
厨房からの排水自体は水温が高い可能性もあるだろう。
しかし例えばその排水がそのうち他のトイレなどの排水と混ざると油の温度が冷える。
結果油が凝固し排水管を詰まらせてしまう原因となる。

そういったリスクを回避するために水よりも比重が軽い油を排水しないような構造となっている。

まとめ

今回はインバート桝と溜桝の違いを紹介した。
インバート桝と溜桝は役割が大きく異なる。
万が一設計図で排水桝種別を間違っていても施工する方などが気付くだろうが誤って異なる種類の排水桝を計画しないように注意したい。

なお基本的な排水計画があってこその排水桝だ。
そのため排水桝を学ぶと同時に排水計画も学ぶ必要がある。
特に合流式、分流式によって排水計画が大きく影響される。

また各排水桝間の勾配についてもしっかりと把握する必要がある。
排水桝の形状は排水桝の深さによっても決定されることが多い。

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