窓は何℃もしくは何%で結露する? -窓の性能と結露-

こんにちは。
設備設計業務においてよくクレームが発生しやすい結露について紹介する。
梅雨の時期や主に冬期において窓表面や壁表面が結露してしまいクレームが発生するケースが多々ある。
結露は水滴を垂らすだけのものではなく常に水気が発生してしまうことによるカビの発生が一番の問題とされる。
カビの発生は衛生的問題から悪者にされておりそのカビのきっかけとなる結露も同様に悪者にされるからだ。
今回は窓種別、室内温度別に結露の要因となる窓表面温度が何度程度になるかを紹介する。
(あくまで試算値なので実際には詳細な計算を行い案件ごとに設計者で判断していただければと思う)

なお近年の外気絶対湿度やその他外気状態の推移について以下で別途まとめたので気になる方は参照されたい。

境界条件

今回比較するための素となる境界条件を記す。
その1_夏期
その1として夏期における室内と屋外の境にある窓について屋外側窓の表面温度を検討する。
また外表面熱抵抗率および内表面熱抵抗率はそれぞれ0.043m2・K/W,0.111m2・K/Wとする。
外気条件は34.8℃58%(東京を想定)としその時の露点温度は25.5℃となる。

その2_冬期
その2としては冬期における室内と室外の境にある窓について室内側窓の表面温度を検討する。
室内は22℃の時に相対湿度40%となるように絶対湿度を0.007kg/kgで固定とする。
なおその際の露点温度は8.5℃となる。

また窓は次の3種類にて検討とする。
Case①_単層ガラス(透明) 6mm ⇒熱抵抗率0.17m2・K/W
Case②_複層ガラス(透明) 6mm+6mm⇒熱抵抗率0.30m2・K/W
Case③_Low-E6mm+空気層12mm+単層ガラス(透明)6mm⇒熱抵抗率0.59m2・K/W
上記のケース別に室内温度は15℃から26度の間でケーススタディを行う。
また日射熱は考慮しないものとした。

計算方法

次に今回の室外側窓の表面温度を算出するにあたり計算方法を紹介する。
既に室内と屋外の温度は決まっているため外部から内部までの熱抵抗率の割合から屋外側窓の表面温度の算出が可能。

具体的には以下の式で求められる。
【夏期】
屋外側窓表面温度[℃] = 屋外温度[℃] – (外表面熱抵抗率 ÷ 全体の熱抵抗率) x ⊿(室内外温度差)
【冬期】
室内側窓表面温度[℃] = 室内温度[℃] + (外表面熱抵抗率 ÷ 全体の熱抵抗率) x ⊿(室内外温度差)

ケース別検討 夏期の場合

まずは夏期の場合について窓種ごとに資産を行った。
単層ガラスのCase①が最も低い結果を示しLow-eガラスのCase③の屋外側窓表面温度が最も高い結果となった。

本来はさらに日射熱の影響がありさらに温度自体は上昇するものと思われるがいずれの場合においても露点温度の25.5℃を超える結果となった。

ケース別検討 冬期の場合

続いて冬期の場合について窓種ごとに資産を行った。
夏期同様に単層ガラスのCase①が最も低い結果を示しLow-eガラスのCase③の室内側窓表面温度が最も高い結果となった。

今回のいずれのケースにおいても夏期同様に露点温度以上となり結露が発生しない結果となった。

番外編 室内温度相対湿度別のケーススタディ

このままだと結局結露しませんでした。といった感じで全く面白くないので一体室内の相対湿度が何%の時に結露しやすいかについて確認する。

先ほどのグラフに相対湿度の線を追加した。
(黒線で記載しておりそれぞれに相対湿度を記載している。)
Case①の単層ガラスの場合はいずれの室内温度においても約相対湿度70程度の時から室内側窓表面温度が露点温度を超える結果となった。
一方で最も窓性能の高いCase③のLow-eガラスの場合は室内の相対湿度が約85%程度にならない限りは結露が発生しない結果となった。

まとめ

今回は窓種別、室内温度別に結露の要因となる窓表面温度が何度程度になるかを紹介した。
結果冬期において単層ガラスの場合は室内相対湿度が70%を超えてきたあたりから結露が発生する可能性があることを示唆した。
また窓性能の上昇に伴い窓表面温度が上昇し結露が発生しづらい結果となった。

窓性能が結露に与える影響が大きいため決して侮れない要素であることを認識いただければと思う。

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