クーラーボックス_早く冷やす方法

こんにちは。
空調とは全く関係なさそうで意外と密接なクーラーボックスについて今回は紹介する。
クーラーボックスは中にある飲み物を冷やしたりするために使うものだ。
よくBBQだったりで使われる方も多いだろう。
そんなクーラーボックスだが中にある飲み物がなかなか冷えなくて困った方も多いだろう。
今回はクーラーボックスの中の飲み物を早く冷やす方法とそこで起きている事象について建築設備的目線から紹介する。

クーラーボックスといえば

クーラーボックスといえばこちらの絵で示す通り中には氷があってそこに飲み物を一緒に入れて使われる方が多いだろう。
また人によっては飲み物を入れる量にも気を使われている方も多いかもしれない。

氷だけが入ったクーラーボックス

まさに先ほど紹介したポンチ絵の通りだ。
飲み物と氷が入ったクーラーボックス。
ほとんどの人はクーラーボックスといえばこんなイメージを持っているだろう。
しかしこれだと冷える速度は遅い。

氷と水が入ったクーラーボックス

次に紹介するのは氷と水が入ったクーラーボックスだ。
なかなか実践されている方も少ないかもしれない。
だが実は先ほど紹介した氷だけが入ったクーラーボックスに比べて冷える速度が速い。

氷+水が入ったクーラーボックスの方が冷えるのが早い理由

理由は水の方が熱伝達率が大きいからだ。
熱伝達率といわれて?マークがたくさん浮かんでしまった方もいると思うので少し丁寧に説明する。

熱のつわたり方のイメージということで2パターン用意した。
1つ目が氷だけが入ったクーラーボックスの場合。
実際に氷と飲み物が物理的に直接触れている部分はわずかだ。
そのため飲み物が実際に冷えるほとんどの要因は空気を介していることになる。
(実際に氷を入れてみればわかるが飲み物と氷の間はすき間だらけだ)

2つ目のパターンは氷+水が入ったクーラーボックスの場合だ。
この飲み物が冷えるプロセスが空気であるか水であるかによって飲み物の冷える速度が圧倒的に変わるのだ。

熱量収支の計算は以下の通りだ。
熱量[kJ/h] = 比熱 x 密度 x 風量(流量) x 温度差

ここで今回の空気と水に関わる部分は比熱と密度について。
風量(流量)は動きがない以上ほとんど0に近い。
(温度差による空気、水の上昇下降が自然と発生するため0ではない。)
温度差は氷と水もしくは空気、飲み物のそれぞれの温度差であるため条件は変わらない。
(厳密にはクーラーボックスを夏に使うことを考えれば空気の方が水よりも温度は高いかもしれない。
が大して変わらないのでここでは割愛する。)

水と空気の比熱と密度について比べてみる。
【比熱】
水・・・・4.186[kJ/kg・K]
空気・・・1.006[kJ/kg・K]
【密度】
水・・・・1,000[kg/m3]
空気・・・1.2[kg/m3]

比熱と密度をそれぞれ乗じて熱量を算出するためそれぞれの値が大きいほど熱収支(熱のやり取りする量)が大きいことになる。
この数値が大きいほど飲み物の冷えやすさにつながる。

そのため氷+水の方が飲み物が冷える速度が早いのだ。

まとめ

今回はクーラーボックスの中の飲み物を早く冷やす方法とそこで起きている事象について建築設備的目線から紹介した。
建築設備の知識が様々な部分で実は役に立つことを感じていただければと思う。

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