通気管の取り出しが45°以下とされる理由

こんにちは。
日本では法整備や設計基準の整備が既に行われている。
設備設計についても同様で基本的には建築設備設計基準や標準仕様書に沿って排水計画を行っている方が大半だろう。
もちろんそういったガイドラインに従って計画を行うことからこそ様々な問題が起きにくい。
但しそのガイドラインに従って設計を続け何も考えずに計画することが長年続くと徐々になぜこのようなルールがあるのだろうかと考えること自体もなくなってしまう。

例えば通気管の役割についてはどうだろうか。
役割自体はどの書籍でも記載がある通りで排水管内の圧力を緩和するためまた空気逃がしをとるために通気管が存在する。
但し排水管から通気管を取り出す際の角度が45°以下とされている理由について上記で紹介した書籍には特段記載されていない。
ということで今回は排水管と通気管の計画の概要と通気管の取り出しが45°以下とされている理由について紹介する。

排水管と通気管の計画概要

筆者が仮想で男子便所を計画した。
建築計画については筆者は専門ではないためその点の批判については容赦していただければと思う。

大便器が2個、小便器が3個、洗面器が2個あるレイアウトとなっている。
各衛生器具から排水管がつながり排水管がPSまでつながっている。
また通気管については排水管末端側の衛生器具1個目および2個目の間に設ける。
今回の焦点となっている部分はこの通気管についてであり次項以降更に詳細を紹介する。

なお通気管の計画方法に関する内容は以下から確認頂ければと思う。

排水管径の計算時に用いられる流量

続いては排水管径の計算時に用いられる流量について紹介する。
設計者により算定方法は異なるかもしれないが基本的には半満流となる様に排水管径が決められている。

筆者は通常建築設備設計基準により算出しているが、参考までにマニングの方式による排水管径を以下で紹介しているので気になる方は確認頂ければと思う。

通気管の取り出しが45°以下とされる理由

続いてが本題の通気管の取り出しについてだ。
もし排水管と通気管の取り出しの関係性が図のようにフラットであるとしたら通気管にも排水管が流れてしまい通気管の意味をなしていないこととなる。

一方でこちらの図の通り45℃以上で通管を設けるとどうだろうか。
半満流で排水管内に排水されている限りは通気管は排水管に全く阻害されずに常に空気に触れていることとなる。
これがもし30°の場合は半満流である限り通気管に排水が流入してしまう。
これが通気管を45°で取り出す理由だ。

まとめ

今回は排水管と通気管の計画の概要と通気管の取り出しが45°以下とされている理由について紹介した。
通気管取り出し角度を45°以下を遵守できないほど通気管の意味がなくなってしまうことを紹介した。
普段は設計で気にもかけない部分かもしれないが設計基準等に記載の背景を知ることでより設計業務が奥深いものだと理解できるかと思う。

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