こんにちは。
商業施設を計画する際には、必ずといっていいほど飲食店が計画される。
飲食店には厨房設備が計画されることがほとんどであり、これらの厨房設備にはインフラを用意する必要がある。
特にガス消費量は設置する厨房機器によって大きく変動する。
また、ガス消費量の変動に伴い、燃焼空気排出のための排気量が変動する。
今回は厨房機器のガス消費量と排気量について紹介する。
建物を計画する際には店舗にどのようなテナントが入居するかが不明確である場合がほとんどである。
そのため、ある程度して店舗に必要なインフラを用意する必要がある。
ガス消費量は主に飲食店の形態によって変わることが多い。
厨房面積あたりのガス消費量(目安) | |
---|---|
喫茶店 | 0.52-0.75 kW/m2 |
レストラン、和食 | 1.05-1.27 kW/m2 |
中華、麺類 | 1.86-2.08 kW/m2 |
出典:某ガス会社資料
ガスメーターの号数に換算
上記で紹介したガス消費量からガスメーターの号数に換算する。
換算式はこちらで紹介しているとおりである。
例えば、25m2の厨房の場合かつ都市ガス13Aにおけるガスメーターの必要号数を計算する。
用途 | ガス消費量 | 号数 |
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喫茶店 | 0.635 kW/m2 x 25 m2 = 15.875kW | 1.27号 |
レストラン、和食 | 1.160 kW/m2 x 25 m2 = 29.000kW | 2.32号 |
中華、麺類 | 1.970 kW/m2 x 25 m2 = 49.250kW | 3.94号 |
厨房機器の排気量
厨房機器でガスを使用すると、燃焼空気が発生する。
燃焼空気に対する排気量は建築基準法に基づき計画する必要がある。
具体的には厨房機器のガス消費量に理論排ガス量を乗じてさらに排気方式に伴う係数を乗じることで排気量を算定する。
また、排気フードを設置する場合は、排気フードの面積に応じた排気風量とする必要がある。
詳細はこちらよりご確認いただければと思う。
計算式 | |
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排気フードを設置しない場合 | 有効換気量[m3/h] = 40 x K x Q |
Ⅰ形フードの場合 | 有効換気量[m3/h] = 30 x K x Q |
Ⅱ形フードの場合 | 有効換気量[m3/h] = 20 x K x Q |
排気フード面積による場合 | 有効換気量[m3/h] = フード面積[m2] x 0.3[m/s] x 3,600[s/h] |
厨房機器のガス消費量と排気風量
参考として、厨房機器メーカーのフジマックが提供している厨房機器のガス消費量と排気風量を紹介する。
なお、ガス消費量は都市ガスの場合とし、排気量は40 x K x Qの値を記した。
また、機器のサイズによってもガス消費量や排気量が異なるため、あくまでも参考としていただければと思う。

機器名称 | フライヤー |
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機器寸法 | 350x600x850mmH |
ガス消費量 | 10kW |
排気量 | 380m3/h(フードなしの場合) |

機器名称 | 天ぷらフライヤー |
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機器寸法 | 530x600x265mmH |
ガス消費量 | 10.5kW |
排気量 | 400m3/h(フードなしの場合) |

機器名称 | ガステーブル |
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機器寸法 | 900x600x850mmH |
ガス消費量 | 35.7kW |
排気量 | 1,330m3/h(フードなしの場合) |
まとめ
今回は厨房機器のガス消費量と排気量について紹介した。
本稿で紹介した目安を頭の片隅に留めておくと、店舗部分のガス消費量や排気量を想定する際に役立つだろう。
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