【初心者向け】ガスメーターの号数 – 計算方法を紹介(都市ガス別、LPガス別)

こんにちは。 

比較的小規模な建物ではガス配管を建物内に計画をしないことも少なくない。
また最近ではオール電化の風潮もある。
つまり例えば比較的小さな厨房程度であればガスを使用する厨房機器を採用しないことすらある。
それだけ普段の設計でガス配管を計画する機会が減少していることが実情だ。
そのためいざガス配管を計画した時にどの程度の大きさのガスメーターを設置する必要があるかわからない方も多い。

今回はガスメーターの選定方法を紹介する。

出典:愛知時計電機HP

ガスメーターとは使用したガスの量を計測するための機器だ。
例えば都市ガスを使用する場合は月々のガス使用量支払い時にガスメーターを使用する。
水でいえば量水器(水道メーター)と同じだ。
その他にも建物内に複数の事業者が入る場合に事業者ごとにガスメーターが設置されることもある。
事業者ごとにガスメーターを設置することで各事業者のガス使用量を把握、請求することにも使用可能だ。

ガスメーターの号数

ガスメーター1号とは計測可能な最大ガス流量が1.0m3/hという意味だ。
つまり号数が増えるほど最大ガス流量も増加する。
ガスメーターの号数(一例)と最大ガス流量は以下の通りだ。

ガスメーターの号数最大ガス流量
1.6 [号]1.6 [m3/h]
2.5 [号]2.5 [m3/h]
4 [号]4.0 [m3/h]
6 [号]6.0 [m3/h]
10 [号]10.0 [m3/h]
16 [号]16.0 [m3/h]
25 [号]25.0 [m3/h]
40 [号]40.0 [m3/h]
50 [号]50.0 [m3/h]
65 [号]65.0 [m3/h]
100 [号]100.0 [m3/h]
120 [号]120.0 [m3/h]

ガスの発熱量

都市ガスやLPガス(プロパンガス)ではガス発熱量がそれぞれ異なる。
ガス発熱量はガスメーターを選定する際に必ず必要だ。
以下にガス発熱量の一例を紹介する。

ガス種発熱量[MJ/m3]発熱量[(kcal/h)/(m3/h)]
都市ガス4510,750
LPガス9924,000

※都市ガスについては計画地毎に都度確認を行うこと。

ガスメーターの選定方法

主にガスを使用する機器といえば厨房機器やガス給湯器だ。
厨房機器やガス給湯器のガス使用量はkWkcal/hで示される。
以下にガス使用量からガスメーターの号数の選定方法を紹介する。

1-1.都市ガス:KW表示の場合

項目計算式
ガス使用量A [kW] = 860A [kcal/h]
ガス発熱量45 [MJ/m3] = 10,750 [(kcal/h)/(m3/h)]
ガス流量860A [kcal/h] ÷ 10,750 [(kcal/h)/(m3/h)] = 0.08A [m3/h]
必要ガス号数0.08A [号]

1-2.都市ガス:kcal/h表示の場合

項目計算式
ガス使用量B [kcal/h]
ガス発熱量45 [MJ/m3] = 10,750 [(kcal/h)/(m3/h)]
ガス流量B [kcal/h] ÷ 10,750 [(kcal/h)/(m3/h)] = 0.000093B [m3/h]
必要ガス号数0.000093B [号]

2-1.LPガス(プロパンガス):KW表示の場合

項目計算式
ガス使用量A [kW] = 860A [kcal/h]
ガス発熱量99 [MJ/m3] = 24,000 [(kcal/h)/(m3/h)]
ガス流量860A [kcal/h] ÷ 24,000 [(kcal/h)/(m3/h)] = 0.0358A [m3/h]
必要ガス号数0.0358A [号]

※建築設備設計基準では 1/ 28 A []と表記されている。

2-2.LPガス(プロパンガス):kcal/h表示の場合

項目計算式
ガス使用量B [kcal/h]
ガス発熱量99 [MJ/m3] = 24,000 [(kcal/h)/(m3/h)]
ガス流量B [kcal/h] ÷ 24,000 [(kcal/h)/(m3/h)] = 0.00004167B [m3/h]
必要ガス号数0.00004167B [号]

3-1.計算例:都市ガスかつガス使用量が500kWの場合

項目計算式
ガス使用量500 [kW] = 430,000 [kcal/h]
ガス発熱量45 [MJ/m3] = 10,750 [(kcal/h)/(m3/h)]
ガス流量430,000 [kcal/h] ÷ 10,750 [(kcal/h)/(m3/h)] = 40.00 [m3/h]
必要ガス号数40 [号]

3-2.計算例:LPガス(プロパンガス)かつガス使用量が500kWの場合

項目計算式
ガス使用量500 [kW] = 430,000 [kcal/h]
ガス発熱量99 [MJ/m3] = 24,000 [(kcal/h)/(m3/h)]
ガス流量430,000 [kcal/h] ÷ 24,000 [(kcal/h)/(m3/h)] = 17.92 [m3/h]
必要ガス号数17.92 [号] ⇒ 25号

まとめ

今回はガスメーターの選定方法を紹介した。
ガスメーターは都市ガスを使用するかLPガスを使用するかで大きく異なる。
そのため使用するガス種を含めてガスメーターを計算する必要がある。

コメント

  1. 匿名 より:

    突然で申し訳ございません。
    LPGガスの発熱量が24,000Kcal/hとなっているのに、計算式が22,000Kcal/hになっています。
    記載ミスでしょうか?

    • >匿名様

      ご連絡ありがとうございます。

      ご指摘の通り間違っておりましたので修正させて頂きます。
      なおLGPガスの発熱量は24,000kcal/hが正しいです。

      引き続きよろしくお願いいたします。