室内機、FCUやエアコンの除湿方法を紹介 -冷却除湿と吸着除湿の違い-

こんにちは。

年々国内の湿度が上昇しており更に除湿の重要性が求められている。
除湿は大きくわけて冷却除湿と吸着除湿の2種類ある。
だがそれぞれの方式の詳細を知らない方も多い。

今回は室内機(エアコン)やFCU(ファンコイルユニット)の除湿方法や冷却除湿と吸着除湿の違いを紹介する。

(参考)次項から空気線図を使用して各運転方法について紹介する。
そのため空気線図をマスターできていない方は以下のリンクから空気線図の理解度を併せて深めていただければと思う。

除湿方式は大きく冷却除湿と吸着除湿の2種類がある。
各除湿方式に対して以下に紹介する。

冷却除湿

冷却除湿とは冷却を行い除湿を行うことだ。
冷却を行うことでその過程で結果的に除湿を行う。

空気線図で示すと左図のイメージとなる。
温度が高いほど空気中に含むことができる水分量が多い。
その性質より冷却前の空気を露点温度よりもさらに冷やすと空気中に含まれる水分が結露する。
冷却の過程で結露を発生させることで除湿された空気を室内へ送風することができる。

冷却除湿の最大の弱点は露点温度まで冷却されない限り除湿がされないことだ。
特に熱負荷が小さい時期で湿度が高い梅雨によくみられる。

吸着除湿

吸着除湿とは吸着剤を介して除湿を行うことだ。
吸着剤により強制的に除湿を行うことが特徴だ。

左図に空気線図による除湿のイメージを紹介する。
吸着剤を使用することで除湿を行う。
吸着剤により熱が発生し温度が上昇する。

室内機(エアコン)やFCUの除湿方法

室内機(エアコン)やファンコイルは冷却除湿を行う

室内機(エアコン)には除湿運転の機能がある。
一方でファンコイルユニット(FCU)には除湿運転の機能はない。
だがいずれの機器も冷却除湿により結果的に除湿を行うことが可能だ。
つまり上記で紹介したいずれの機器も結果的に冷却除湿を行うことが可能だ。

室内機(エアコン)の運転の種類

普段から家庭でもエアコンを使用されている方は既にご存じだと思う。
室内機(エアコン)の運転の種類には大きく3種類の運転方式がある。
「冷房運転」「除湿運転」「再熱除湿運転(除湿再熱運転)」だ。
次項から各運転の仕組みについて紹介する。

冷房運転

夏期であれば冷却前の室内空気は26℃以上かつ絶対湿度も高い場合が多い。
冷房運転の場合は設置した室内温度になる様に冷房運転を行う。
そのため左図の示す空気線図のように冷却の過程で絶対湿度を減少させることができる。

また冷房運転では設定温度マイナス10℃程度で冷却された空気を吹き出すことが多い。
つまり室内温度26℃設定であれば16℃程度で吹き出すこととなる。
26℃50%の時の露点温度は15℃程度だ。
つまり26℃設定の場合は相対湿度が50%以下となることはほとんどない。

だが冷房運転で除湿が行われない場合がある。
例えば左図の位置の空気の場合は冷房を行うことができない。
あくまでも室内温度が設定温度より高いかどうかで冷房運転を行う。
特に梅雨に見られる現象だ。
室内にほとんど熱負荷がない場合は冷房を行うことができないため室内の湿度が高い状態が続く。

除湿運転

除湿運転では室内温度ではなく露点温度により運転を行う。
露点温度とはある室内空気を冷却した時に結露が発生し始める温度のことだ。
例えば26℃50%の空気の露点温度は約15℃だ。
そのため例えば露点温度が15℃になるように運転を行う。

例えば前項では梅雨の時期では冷房運転がほとんど行われない可能性を紹介した。
だが除湿運転ではあくまでも露点温度により制御を行う。
つまり梅雨の時期の室内空気であっても空気の冷却を行うことが可能だ。
その反面、室内温度が26℃まで上昇しないため肌寒く感じることもある点に注意が必要だ。

再熱除湿運転

再熱除湿運転とは冷却(除湿)を行った後に空気を加熱してから室内へ送風することだ。
特に除湿運転を行うと肌寒く感じる場合に使用するとよい。
冷却した後に強制的に空気を加熱することで室内温度を一定に保つことが可能だ。
だが冷却した空気をさらに加熱するためそれ相応に費用が掛かる。

どの時期にどの運転方法を選択するか

一例ではあるが以下に季節ごとの室内機(エアコン)の運転方法を紹介する。
特に再熱除湿運転についてはコストが大幅にアップするため快適性とコストのどちらを重視するか考慮した上で検討されたい。

季節 運転方式
冷房運転 除湿運転 再熱除湿運転
夏期
湿度:高、室温:高
湿度:高、室温:低

まとめ

今回は室内機(エアコン)やFCU(ファンコイルユニット)の除湿方法や冷却除湿と吸着除湿の違いを紹介した。
湿度についてより詳しく把握するためには各地域や近年の湿度の推移について把握することも大切だ。

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