【初心者向け】必要換気量および室内CO2濃度の計算方法を紹介

こんにちは。
近年地球温暖化の影響により外気の二酸化炭素濃度(以降CO2濃度)が徐々に上がりつつある。
一方で建築物衛生法(ビル管法)では室内の居室の濃度を1,000ppm以下に維持する必要がある。

現在以下の法令によれば一人当たりに必要な必要換気量は以下の通りだ。
・建築基準法_20CMH/
・建築物衛生法_25CMH/
・建築設備設計基準_30CMH/
各規準により必要な換気量こそ記載はあるが外気CO2上昇に伴い必要な換気量も増えるはずだ。
ただその前に本当に必要な換気量はどれだけなのかといった計算が自身でできないと何が正しいのか見当もつかないはずだ。

そこで今回はまず外気の
CO2濃度の推移について紹介する。
次に人員のCO2発生量を紹介し、さらに外気のCO2濃度および人員のCO2発生量、換気量に基づく室内のCO2濃度の計算方法について紹介する。

外気のCO2濃度推移

図 外気CO2濃度推移

気象庁のHPに公開されている外気CO2濃度の推移を示す。
外気CO2濃度が公開されていた年は1987年からだ。
1987年ではおおよそ350ppmだが2022年では420ppm年々右肩上がりに外気CO2濃度が上昇していることがわかる。 

人員のCO2発生量

次に人員からのCO2発生量について紹介する。
空気調和衛生工学便覧_空気調和設備編では人員の作業負荷毎にCO2の吐出量が記されている。
作業負荷が大きいほどCO2吐出量が多い傾向となる。

CO2濃度および必要換気量の計算方法

 ある居室に対するCO2濃度は以下の式で与えられる。

 室内CO2濃度[ppm] = ((人員数[] x CO2発生量[m3/h・人]÷ 外気量[m3/h]) +外気CO2濃度[m3/m3])x 1000000

 これだけだとわかりづらいので一例を紹介する。

 例えば以下の条件で計算する。
:5[]
一人当たりのCO2発生量:0.022[m3/h・人]
外気量:150[m3/h]
外気CO2濃度:0.0004[m3/m3] 

この時の室内CO2濃度は1,133[ppm]となる。

この式を少しアレンジすると必要な換気量は以下の式で与えられる。

必要換気量[m3/h] =人数[] x CO2発生量[m3/h・人]÷ (室内CO2濃度 外気CO2濃度)

先ほどと同じように例えば以下の条件で計算する。
人数:5[]
CO2発生量:0.022[m3/h・人]
室内CO2濃度:0.001[m3/m3]
外気CO2濃度:0.0004[m3/m3]

この時の必要換気量は183.33[m3/h]となる。

(余談)現在の必要換気量

図 ビル管法基準 必要換気量の推移

図に年次ごとの必要換気量を示す。
建築物衛生法(ビル管法)1970年に制定された。
一方で1987年以前の外気CO2濃度のデータは手に入らなった。
そのため1987年の時に必要換気量が25[m3/h・人]となるように人員の作業負荷を設定した。
なお人員の作業負荷は0.016程度と安静時と軽作業時の中間あたりの数値となった。
前項より外気CO2濃度が年々上昇している。
それに伴い必要換気量も上昇している。
例えば建築物衛生法基準でいえば現在では28[m3/h・人]程度必要であることがわかる。

図 建築設備設計基準 必要換気量の推移

次に建築設備設計基準(以降:茶本)における必要換気量を示す。
茶本では人員に必要な換気量は30[m3/h・人]と規定されている。
一方でCO2濃度を基準とし必要換気量についても併記されている。
その算出方法によると図のようになる。
外気のCO2は茶本に記載の0.0004[m3/m3]に最も近しい2013年とした。
また作業負荷は茶本に記載の0.0129~0.0184[m3/h・人]の中間値である0.01565[m3/h・人]とした。
建築物衛生法で示す結果とほとんど変わらない結果となった。

まとめ

今回はまず外気のCO2濃度の推移について紹介した。
次に人員のCO2発生量を紹介し、さらに外気のCO2濃度および人員のCO2発生量、換気量に基づく室内のCO2濃度の計算方法について紹介した。

外気CO2濃度
・年々右肩上がりに外気CO2濃度が上昇している

人員の作業負荷
・作業負荷が大きいほどCO2吐出量が多い

換気量の計算
・室内CO2濃度[ppm] = ((人員数[] x CO2発生量[m3/h・人]÷ 外気量[m3/h]) +外気CO2濃度[m3/m3])x 1000000
・必要換気量[m3/h] =人数[] x CO2発生量[m3/h・人]÷ (室内CO2濃度外気CO2濃度)

地球温暖化による外気CO濃度の上昇は建設業だけの問題ではない。
それほど一般に認知されている内容のため動向を日々注視することをおすすめする。

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コメント

  1. 塩入玲菜 より:

    現在大学で、換気量についての研究をしております。
    そこで、本サイトを拝見し、一つお聞きしたいことがあり、
    コメントをお送りさせていただきました。

    一人当たりの人員のCO2発生量についてですが、
    このデータはどの文献を参考にされたのか教えていただきたく存じます。

    お忙しいところ恐れ入りますが、お手隙の際にご連絡いただけると幸いです。

    • CO2発生量の根拠についてコメント頂きありがとうございます。

      以下に回答を記します。
      CO2発生量の根拠は
      「空気調和衛生工学便覧_空気調和設備編_第3章 換気と防煙・排煙設計」にございます。

      不明点などあればお気軽にご連絡頂ければと思います。

      引き続きあきしょー工房をよろしくお願いいたします。