今回は室内機の種類と特徴について天井高さが室内機に与える影響の観点から説明することとする。
なお前回の記事を読まれていない方は以下から読んでいただければと思う。
通常設計段階でなにも配慮されていない場合も含め天井カセット形が計画される場合が多い。
カセット形が最も汎用的に使用できるうえに安価なためだ。
但しそんな中でもカセット形を使うべきではないケースもいくらか存在する。
カセット形で計画、設置してあとから困ることの内容に以下の事柄に配慮することをお勧めする。
①温熱感
②点検
室内機と温熱感
天井が高すぎる場合に起こる現象の一つが気流が届かないこと。
気流が届かないということは冷房をしても冷房が効かない、暖房が効かないと感じることが多くなるということ。
通常室内や屋外からの発熱量を加味して室内機を選定するわけだが、そもそも気流が届かないということは室内機の能力が発揮しきれていない状態となる。そのため能力不足となる可能性も含め冷暖房が効いていないといった可能性に陥ることとなる。
空気の性質として暖かい空気は軽く、冷たい空気ほど重くなる性質がある。
そのため冷房時は気流が届いていないとしても空気の性質より冷たい空気が供給されやすいが、暖房時はまず暖かくは感じられない空間が発生しやすい。
天井カセット形は通常事務所ビル等の基本的な天井高さ2.7mHに合わせて作られている。
一方でカセット形の気流到達距離はおおよそ3m程度(水平方向)であることから天井高さが3mを超えてくる場合から考慮が必要となる。
室内機と点検
天井高さが高い上に起こり得る次の問題が点検や室内機の更新である。
通常脚立は90cmや120cm程度のものが多くの事務所で保有されていることと思う。
長いものだと3m,4mなどの脚立もあるがあまり見かけることはない。
例えば水漏れが起きたときやフィルターの根詰まりが起き交換をするとき、室内機表面の清掃を行うときなどかなりの頻度で捕手を行うことが多い室内機だが、4mや5mといったかなり高所に設置されている室内機だと点検そのものが困難となる。
ましてや4m,5mの場合だと安全面にも配慮し落下防止措置を別途図る必要もあり全く気軽な話ではなくなってしまう。
まとめ
汎用品としてどの建物にも導入されることが多い天井カセット形の室内機。
そんな室内機にも配慮するべき事項が温熱感(気流感)と点検である。
室内機を設置してからだとなかなか室内機を入れ替えることがかなり大掛かりな工事になってしまうため、事前にこれらを配慮することをお勧めする。
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