【初心者向け】制気口ボックスの大きさの決め方 2023.04.152024.01.07 【↓ダクト講座一覧↓】(プルダウン) ダクト設備 (34)【ダクトの基礎】 ①ダクトの役割と仕組み ②ダクトの材料 ③ダクトの吊りと接続方法 ④保温の必要性 ⑤空調ダクトと換気ダクトの違い ⑥様々なダンパー ⑦VDの役割と設置例 ⑧CDの役割と設置例 ⑨MDの役割と設置例 ⑩FDの役割と設置例 ⑪HFDの役割と設置例 ⑫SFDを設けるケース ⑬HFDの設置位置と耐火ダクト ⑭FDを設けるかダクト迂回か ⑮CAVとVAVの役割と設置例 ⑯ガラリの役割 ⑰ベントキャップの役割 ⑱制気口の種類と使い分け ⑲制気口BOXの役割 ⑳制気口の結露防止 ㉑保温内貼り、外貼りの使い分け ㉒ブリーズライン上部のBOX ㉓アスペクト比【ダクトの計画・大きさ】 ①ダクトの大きさの決め方 ②矩形ダクトとスパイラルダクト ③ガラリの大きさの決め方 ④制気口の位置の決め方 ⑤制気口の大きさ計算方法 ⑥制気口の大きさ計算ツール ⑦制気口ボックスの大きさ計算方法【ダクトの描き方】 ①ダクト図の描き方 ②制気口リストの作り方 ③ガラリチャンバーリスト ④ダクトの描き方_枝ダクト こんにちは。普段設計をしていてあまり設計基準等でも触れられていない制気口ボックスの大きさについて悩んだことはないだろうか。公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)には一応2種類の制気口ボックスサイズが記載されている。だが実務においては2種類の制気口ボックスだけで足りるわけではない。今回は制気口ボックスの大きさの決め方を紹介する。(参考)制気口ボックスの役割をより詳しく知りたい方は以下の記事を参照頂きたい。 【初心者向け】制気口ボックスの役割を紹介こんにちは。ダクトを設計し始めたばかりのころは様々なダクトの材料がわからないものだ。制気口ボックスもその一つで制気口との違いがよくわからなかったり、何のために設置されているのかがわからなかったりする。今回は制気口ボックスの役割を紹介する。(... コンテンツ 制気口ボックスの大きさの決め方公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)一般的な制気口ボックスサイズの決め方制気口ボックスによる減音量まとめ 制気口ボックスの大きさの決め方 冒頭でも紹介したが一部のサイズにおいては公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)に制気口ボックスのサイズについて記載がある。だが実際には様々な制気口のサイズがありその制気口のサイズに伴い制気口ボックスのサイズも選定しなおす必要がある。以下にそれぞれ紹介する。 公共建築設備工事標準図(機械設備工事編) 公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)ではシーリングディヒューザーの選定の際に以下の二種類の制気口ボックスを使用する例が紹介されている。ネック径が200φ以下の場合 :W400×D400×h250ネック径が200φを超える場合:W500×D500×h300 一般的な制気口ボックスサイズの決め方 次にその他のサイズについて制気口ボックスサイズの決め方を紹介する。(基準が特にない以上設計者により考え方が異なるのでその点は注意いただきたい。) 左図に制気口ボックスのイメージ図を記す。基本的には以下の方法で決めれば大きな問題となることはないだろう。W = W’ + 150mmD = D’ + 150mmH = H’ + 150mm ほとんどの場合制気口ボックスへの接続ダクトはフレキシブルダクト(丸ダクト)だ。そのため先ほど紹介した計算式で事足りるはずだが矩形ダクトの場合は以下の通りとなる。W = W’ + 150mmD = D’ + 150mm と D” + 150mmの大きい方H = H’ + 150mm 制気口ボックスによる減音量 建築設備設計基準にチャンバーボックスの減音量算出式が記載されているため以下の2ケースで減音量を試算する。ケース1:チャンバーボックス寸法 350 x 350 x 350、出口断面積0.04m2の場合ケース2:チャンバーボックス寸法 450 x 450 x 450、出口断面積0.04m2の場合まずはケース1から試算する。チャンバーボックス寸法 350 x 350 x 350、出口断面積0.04m2の場合 周波数 Hz63Hz125Hz250Hz500Hz1000Hz2000Hz4000HzGW25mmの吸音率0.020.030.220.690.910.960.99吸音力 m20.01470.02210.16170.50720.66890.70560.7277減音量 dB0.000.006.0711.0312.2312.4612.60 続いてケース2について試算を行う。チャンバーボックス寸法 450 x 450 x 450、出口断面積0.04m2の場合 周波数 Hz63Hz125Hz250Hz500Hz1000Hz2000Hz4000HzGW25mmの吸音率0.020.030.220.690.910.960.99吸音力 m20.02430.03650.26730.83841.10571.16641.2029減音量 dB0.000.008.2513.2114.4214.6514.78 但し消音チャンバーの吸音力[m2] = チャンバーボックス内の表面積[m2] x 吸音率減音量[dB] = 10 x log10 ( 消音チャンバーの吸音力[m2] ÷ 出口断面積[m2]) 消音ボックスが大きくなると減音量が大きくなることがわかる。そのため室内騒音を気にする室であれば通常の制気口ボックスよりも大きな寸法とした方が望ましいだろう。 まとめ 今回は制気口ボックスの大きさの決め方を紹介した。あくまでも制気口ボックスのサイズ選定は一例だ。そのため、実務を踏まえてより現場に遭った制気口ボックスのサイズを考えていただければと思う。
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