こんにちは。
換気方式として一般的に普及している全熱交換器。
そんな全熱交換器を普段から何気なく設計で見込むことが多いかと思う。
特に設計初心者の方は先輩や上司から給排気ファンではなく全熱交換器を使うことが一般的だと言われる。
そのためなんとなく全熱交換器を見込んでいることも多いだろう。
通常熱負荷計算を行う場合は外気量と室内外エンタルピー差で外気負荷を算出する。
ただ熱交換器を用いる場合は外気量と室内外エンタルピー差に熱交換効率(厳密には熱交換器をしない割合)を乗じる必要がある。
その熱交換効率を全く知らない設計者は熱負荷計算ができないことにつながってしまう。
今回は全熱交換器について熱交換効率の基礎および計算方法、そして確認方法を紹介する。
熱交換器はその機器の名前の通り熱を交換するための装置だ。
熱の交換対象は外気と室内の空気だ。
例えば35℃の外気および26℃の室内空気について全熱交換器を用いて換気する場合について考える。
例えば図中のように35℃の空気が室内空気との熱交換を行うことで室内への供給空気が30℃になる。
一方で26℃だった室内空気は同じく熱交換を経て31℃となり排出される。
これを熱交換という。
一方で熱交換効率は全熱交換器が室内との熱をやり取りできる熱量の割合のことだ。
例えば先ほどの空気について紹介する。
外気35℃室内空気26℃とする。
全熱交換器を通過した外気温度が35℃から29.6℃になった場合の熱交換効率は
(35℃-29.6℃)÷(35℃-26℃)=60%となる。
つまりこの熱交換器の熱交換効率は60%となる。
カタログでの熱交換効率の読み方
次にカタログでの熱交換効率の読み方について紹介する。
通常図中のように横軸が風量、縦軸が機外静圧および熱交換効率と記載されていることが多い。
また熱交換効率は冷房時と暖房時のそれぞれが併記されていることがある。
例えば図中のように①200CMHの機器と②300CMHの機器の2つがあったとする。
それぞれ図中より
①の冷房時の熱交換効率は61%、暖房時の熱交換効率は68%となる。
②の冷房時の熱交換効率は60%、暖房時の熱交換効率は66%となる。
まとめ
今回は全熱交換器について熱交換効率基礎および確認方法、そして計算方法を紹介した。
現在では熱交換器を建物に見込むことが多い。
そのため熱交換効率についてもマスターしておくべきだろう。
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