【わかりやすく紹介】ファンコイルユニットとエアコンの違い

こんにちは。

建築業界に従事した間もないころ。
ファンコイルユニットといった言葉が社内や先方との打ち合わせで飛び交うことは多くないだろうが。
一度中央熱源方式による設備方式を用いた建物を設計していれば何ということはないだろう。

ただこれから設計を始めるぞという方や一度も中央熱源方式で計画したことない方。
ファンコイルユニットとはなんぞやと思う方も多いだろう。

比較的小規模な建物やマンションの設計を行う方からは縁がない用語だ。
ただ大体10,000m2程度を超えてくる建物であったり病院など特殊な建物の場合はファンコイルユニットを使用することも増えてくる。

今回はファンコイルユニットとエアコンの違いについて紹介する。

ファンコイルユニットとエアコンの違い - 概要 -

まずはファンコイルユニットについて紹介する。
ファンコイルユニットは室内側から見る分にはエアコンとほぼ全く同じ見た目だ。
つまり建物が運用された後に居住者がファンコイルを見かけてもそれがファンコイルユニットかエアコンかわからないことが普通だ。
(厳密にはメーカーなどを確認すればわかる場合があるが)

ファンコイルユニットとエアコンの違い①

一つ目のファンコイルユニットとエアコンの違いはそれぞれに接続される機器が異なることだ。

例えば住まいでよく見かける屋外に置かれている室外機だ。
これは室内のエアコンと接続される。

一方で大きな建物(10,000m2以上等)でよく耳にすることがセントラル空調だ。
このセントラル空調の場合ファンコイルユニットが接続される。
セントラル空調の場合は大元の空調機器サイズは家庭用エアコンとは異なりかなりのサイズを有することが普通だ。

ファンコイルユニットとエアコンの違い②

二つ目のファンコイルユニットとエアコンの違いそれぞれに熱を供給するための媒体が異なることだ。

エアコンの場合は室内機と室外機がありその間を冷媒が流れている。
この冷媒により外気および室外機から室内機へ熱を供給して室内へ冷たい(温かい)空気を供給する。

一方でファンコイルユニットの場合は冷媒ではなく冷水、温水と呼ばれる水を供給し室内へ冷たい(温かい)空気を供給する。

ファンコイルユニットの場合はその熱の源が冷水、温水であり、エアコンの場合冷媒が用いられる。

少し話が脱線するが理解を深めていただくために少しだけ補足する。
エアコンの場合は設置されている部屋ごとに空調のON/OFF、温度設定などを設定できる。
一方でファンコイルユニットの場合はセントラル空調となることがほとんどだ。
そのため建物管理者側で空調可能な時間が制限されたり、冷房もしくは暖房のどちらかしか選択できないといったことが起きる。

一見するとファンコイルユニットのメリットがないように見える。
だがセントラル空調により空調に制限をかけることで結果的に電気代の削減につながることが特徴だ。

ファンコイルユニットとエアコンの違い -まとめ-

ファンコイルユニットとエアコンの違いは以下の通りであることを紹介した。

【共通】
・ファンコイルユニットとエアコンの見た目はほとんど変わらない。

【エアコン】
・室外機と接続される。
・室外機と室内機の熱のやり取りに冷媒が用いられる。

【ファンコイルユニット】
・セントラル空調側の機器と接続される。
・熱のやり取りに冷水、温水が用いられる。

ファンコイルとエアコンの違いを正しく理解できれば設計の幅が広がるだろう。

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