【建物の裏側】ダクトの吊りと接続方法を紹介

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こんにちは。 

普段建物を利用していて空調を気にすることはほとんどない。
というのもだれか気に掛けるときは、それは室全体が均一に空調をされていないことを意味するからだ。

空調方式にはダクトによる空調やカセット形エアコンによる空調、はたまた床置き形エアコンによる空調など様々だ。

海外と比べ日本においては空調でトラブルを抱えることがあまり多くはない。
それは日本の空調機器メーカーの技術が確かなものであることが立証されていることにつながる。
またダクトによる空調の場合は空調機器メーカーだけではなくその道中のダクト工事についても信頼性がかなり高いものとなっていることを意味する。

今回はダクトの吊りと接続方法を紹介する。

ダクトの役割

ダクトと一概に言っても実は様々な役割がある。
各役割は以下の通りだ。

 ・空調空気を運ぶダクト。(通称SA(supply air))
・室内の空気を空調機まで空気を戻すダクト。(通称RA(return air)
・外気を取り入れるダクト(通称OA(outdoor air)
・建物内から外部へ空気を排出するためのダクト(通称EA(exhaust air))

ダクトを施工するにあたり大切なこと

ダクトを計画するにあたり通常大切なことは大きく以下の通りだ。

・風量に見合ったダクトのサイズとすること。
もし風量がかなり大きいにもかかわらずダクトの径が非常に小さかった場合はダクト内の風速が大きくなり抵抗が増えてしまう。
抵抗が増えた分だけ空気が出なくなってしまう。

・ダクトとダクトの接合部から空気が漏れださないこと。
もしダクトとダクトの間から空気が漏れ出してしまうと空気がダクトの出口(吹出口等)まで届かない可能性がある。

・ダクトが落ちないようにすること。
ダクトの吊り間隔はある一定の間隔以下にすることで落下しないよう支持をとる。

風量に見合ったダクトのサイズ

風量に見合ったダクトのサイズとはどんなサイズだろうか。
少し細かな話となってしまうが通常送風機や空調機には風量以外に静圧といったものから能力が決められている。
静圧というのはダクト等による抵抗を合算した数値で抵抗が大きいほど静圧が大きくなり空気が出にくくなる。
その時に通常我々が設定するダクトサイズは風量に対して1pa/m以下とすることだ。
例えば1,000CMH(風量の単位)に対するダクトサイズは300φ程度だ。
これが例えばダクトサイズ200φとなると5.5pa/mとなり100φであれば17pa/mにまで跳ね上がってしまう。
ファンの能力次第ではまず既定風量を出すことは難しくなってしまう。

ダクトとダクトの接合部からの空気漏洩

こちらの図はダクトのフランジ部(ダクトとダクトの接合部)の断面だ。
実際にはダクトの接合方法はさまざまであるが今回は共板フランジ工法といったものを抜粋する。
基本的に4隅にボルトでダクト同士を固定する。
次に接合クリップと呼ばれるものですき間を埋めていく。
この際の接合クリップの間隔も決められている。

ダクトの落下防止

共板フランジ工法の場合は吊りピッチが2,000mm以内と決められている。
考え方としてはダクトが落下しないようにすればよいので2,000mm以内であれば差し支えない。
またある一定以上のダクトサイズの場合はダクト同士の接続の問題からアングルフランジ工法といった工法にてダクトを接続する必要が出てくる。
上記に伴い支持が必要な間隔も変わる。

まとめ

今回は空調設備の目に言えない部分のダクトについて紹介した。
裏方にて職人さん方が丁寧に仕事をされているからこそ今の建物、空調があるのだといえるだろう。

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