こんにちは。
普段からどれだけに省エネで合理的な設備計画とするかを考えるで日々頭を煮やしている方が大勢だろうか。
大半のベテラン設備設計者は省エネを図ることで土地所有者の経済負担が抑えられ地球温暖化抑制にもつながることについて十分に理解しているかと思う。
一方で設備設計初心者の方からすれば意外にも上記が理解できていない方もいる。
それもそのはず。
会社に入ってから誰も教えてくれないからだ。
ということで今回はなぜ省エネを図ることで初期費用が上がる一方で電気料金が安価となるのか、そしてなぜそれがよく言われる地球温暖化抑制に対して効果があるのかを紹介する。
まず最初に紹介する内容が省エネ化を図ることで初期費用が増大となるということ。
省エネ化ということは普段は行わないような余計な制御や設備投資を行う必要がある。
例えば上記に紹介する図は中央熱源の1次側について記した系統イメージだ。
当たり前のように熱源機が2台設置されているがこれは以下の理由が考えられる。
(あくまでも一例だが)
・台数制御による省エネ化
・1台が壊れたときの空調バックアップ(50%)
台数制御により熱源機が高効率となるような負荷率で運転を行いやすいメリットがある。
一方で本来1台でも差し支えない熱源機が2台あるということはそれだけで初期費用が増大する。
また台数を制御するといった制御項目も増えるためその分費用が増大する。
上記は一例だが基本的には省エネにより初期費用が下がるといったことはまず考え難い。
続いて維持費用についてだ。
先ほど2台の熱源機が設置され台数制御により熱源機の運転を高効率とできる旨紹介した。
高効率ということはより少ないエネルギーで空調ができるということ。
このエネルギー源は熱源機器により異なるが電気であったり、ガスであったり、油であったりする。
そのため電気を媒体とする熱源であれば必要な電力量が減ることにつながる。
必要な電力量の減少に伴い電気料金も安価になるわけだ。
電気料金の減少=地球温暖化抑止
続いてはなぜ電気料金の減少が地球温暖化の抑止につながるのかについて紹介する。
上図は各建物と発電所の関係を記したイメージ図だ。
電気は火力発電所などの発電所からやってくる。
各建物で使用される電力量が減少すれば発電所側の需要も減少する。
需要減少に伴い発電所は電気を作る量が減少するためそこで用いられる化石燃料が減少する。
(化石燃料とは石油や石炭天然ガスを総称した意味)
化石燃料使用量が減ることで発電所で電気を作るために必要な燃焼量そのものが減る。
地球温暖化がCO2増大によるものであることから燃焼量が減ることでCO2の増加を抑制できる。
(CO2濃度=地球温暖化ではないと考えられている方もいるが)
そのため電気料金(電力使用量)減少は地球温暖化抑制に効果があることにつながる。
つまり前項で紹介した省エネ化=地球温暖化抑制とも読み取れるわけだ。
まとめ
今回は省エネを図ることで初期費用が上がる一方で電気料金が安価となる理由、そしてなぜそれがよく言われる地球温暖化抑制に対して効果があるのかを紹介した。
設備設計を行う上で最も大きな課題を少しでも貢献するために省エネ化といった手法があることを理解いただければと思う。
省エネの手法の最近のトレンドについて学びたい方はこちらの書籍がおすすめ。
コメント