循環換気回数から求める -室温到達時間の簡易算定法-

こんにちは。

建物の運用を開始すると、営業時間の何時間前から冷房・暖房を入れようか、業務開始の何時間前から冷暖房しようかなどと悩むことがある。
冷房・暖房の時間が長いほど、光熱費が高騰する要因となる一方で、空調時間を限定するほど、空調に関する利用者の満足度は低下する。

今回は、空調を開始してからの室温到達時間簡易算定法について紹介する。

一般的な建物では、空調設備でのエネルギー消費割合が50%と建物全体のエネルギー消費量の内の大半を占める。
そのため、光熱費の削減を検討する際には、空調設備から見直していくことが重要となる。

空調する時間が長いほど光熱費が高騰することが一般的である。
例えば、6時から18時までの12時間空調する場合と、8時から18時までの10時間空調する場合では、1日あたり2時間の差が発生する。
すなわち空調時間を16.7%削減することが可能となる。
冬期の空調負荷のピークは朝方である一方で、夏期の空調負荷のピークは一般的に日中である。
そのため、空調時間の削減割合とエネルギー削減割合が等しくはならないが、空調時間を削減することは一定のエネルギー消費量削減に寄与する。

室温到達時間簡易算定法

換気回数

換気回数とは、理論上室内の空気が1時間に何回入れ替わるかを示す指標である。
たとえば「換気回数2回/h」とは、1時間に室内の空気が2回分、すべて新しい空気と入れ替わることを意味する。
この値は、室内容積と実際に供給・排出される換気量から算出される。
具体的な算定方法としては、エアコンや、空調機等の風量から室内の容積を除することで算定することができる。
例えば、空調機器の風量が500m3/hで、室容積が100m3の場合は、500m3/h ÷ 100m3 = 5回換気となり、1時間で5回空気が入れ替わることとなる。

詳しくはこちらの記事からご確認いただきたい。

換気回数から室温到達時間を簡易的に算定可能

換気回数を用いて室温到達時間を簡易的に算定が可能である。
例えば、換気回数が2回/hであれば、60分/h ÷ 2回/h = 30分/回 となり、空調開始から30分で室温に到達することとなる。
他にも換気回数が4回/hであれば、空調開始から15分で室温に到達する。

換気回数2回の場合 60分/h ÷ 2回/h = 30分/回(空調開始から30分で室温に到達)
換気回数4回の場合 60分/h ÷ 4回/h = 15分/回(空調開始から15分で室温に到達)

室温到達時間簡易算定法の注意点

前項で紹介した空調開始からの室温到達時間の算定方法は、あくまでも簡易的な算定方法である。
より詳細に計算するためには次項以降に示す内容を考慮して計算する必要がある点に注意が必要である。

空気が滞留する場所がある

空調を行う上では空気が入れ替わりやすいエリアや、空気が入れ替わりづらいエリアが発生する。
これは、制気口(吹出口や吸込口)の位置関係によるものではあるが、空調開始したばかりの時間帯では特に温度ムラが発生しやすい場所ともなりうる。
そのため、室温の到達時間に影響を与える。

室内温度が外気温度と乖離するほど外部の影響を受ける

例えば冬期であれば、空調運転開始にともない室内の温度が上昇するほど、外部の影響を受けやすい状況となる。
室内温度と外気温度の温度差が大きくなるため、外気がより室内の温度を奪いやすくなるためである。
そのため、空調開始からの室温の到達時間に影響を与える一つである。

まとめ

今回は、空調を開始してからの室温到達時間簡易算定法について紹介した。
省エネルギーや光熱費の削減を図る際には、高効率な設備機器・システムの導入も有効だが、「無駄」を減らすことも有効であることを理解いただければと思う。

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