GX検定ベーシックを受験してみた

こんにちは。

現在では、世界中共通の目標として脱炭素化がより一層求められている。
特に、日本においては2030年度時に46%の脱炭素化(2013年度比)および2050年度にはカーボンニュートラルを目指す目標が掲げられている。
ここでいう脱炭素化は建物以外からのCO2排出量も含まれる。
しかし、建物から発生するCO2排出量も決して小さくはない。
そのため、現在の省エネ法があるように、建物から発生するCO2排出量の削減も求められている。

これらの脱炭素化の背景や各種基準、CO2排出量の算定方法・削減方法等に関する資格の一つがGX検定である。
GX検定の中にはベーシックや、アドバンスト等様々なレベルがあるが、今回筆者は最も基礎的なレベルであるGX検定ベーシックを受験した

今回はGX検定ベーシックの概要と受験した感想を紹介する。

GX検定とは

出典:https://green-transformation.jp/gx_certification/

GX検定とはGX推進に不可欠な基礎知識・スキルを証明する検定試験のことである。
GXとはGreen Transformation(グリーントランスフォーメーション)の略であある。
具体的には、化石燃料からクリーンエネルギーへの転換を通じて、経済社会システム全体を改革する取り組みを示す。

GX検定の種類

自社のカーボンニュートラルを推進するスキルに焦点をあてた「ベーシック・アドバンスト・スペシャリスト」の3つのレベル別検定と、GX関連のソリューション提供・ビジネス創出をするスキルに焦点をあてた「GX検定BIZ」の4検定で構成されている。
現在、GX検定 ベーシックは 環境省認定制度「脱炭素アドバイザー ベーシック」、GX検定 アドバンストは 環境省認定制度「脱炭素アドバイザー アドバンスト」 に認定されている。(2025年5月時点)

GX検定ベーシック

GX検定ベーシックの内容構成

GX検定ベーシック
1章 脱炭素化の背景
2章 脱炭素化に向けた動き
3章 世界の動向
4章 日本政府の動向
5章 企業の取組
6章 脱炭素の技術

GX検定ベーシックの内容構成は左表に示す大きく6章から構成される。
GX検定ベーシックではCO2排出量の具体的な算定方法や削減方法については触れていない。
あくまでも、GXの基礎的知識やGXに対する日本や企業の動向世界の動向が焦点とされている。
具体的な内容はこちらのURLからご確認いただければと思う。

GX検定ベーシックの受験形式等

GX検定ベーシックの受験形式等
問題数 50問
問題形式 4択問題
試験時間 60分(オンライン)
受験費用 6,600円(税込)
合格率 70%程度
2025年5月時点

GX検定ベーシックの受験形式は左表に示すとおりである。
問題数は計50問であり、すべて4択問題で構成される。
「適当な選択肢を選べ」「不適当な選択肢を選べ」の他に、「適当な選択肢の組み合わせを選べ」といった問題が頻出される。
合格率は70%程度とのことだが、問題の難易度等によって多少左右されるものと考えられる。

GX検定ベーシックの受験者数と合格率

2023年以降GX検定ベーシックは年に3回開催されており、おおよそ70~80%程度の合格率である。
また、受験者数は年々増加傾向であり、GX検定への関心が高まっていると考えられる。

開催回 受験者数 合格者数 合格率
2023年第1回 165名 112名 67.88%
2023年第2回 334名 258名 77.25%
2023年第3回 407名 293名 71.99%
2024年第1回 381名 279名 73.23%
2024年第2回 379名 318名 83.90%
2024年第3回 473名 430名 90.90%
2025年第1回 1,346名 1,053名 78.23%

学習方法と学習時間

実際に学習した方法と学習した時間(解いた問題数)を紹介する。
まずは、GX検定公式教材であるGX入門講座によるオンライン教材を利用した。
基本的にはオンライン教材内の内容を100%理解していれば、合格率は飛躍的に向上するものと思われる。
しかし、筆者の場合オンライン講座は眠たくさせるツールの一つであり全く集中できなかった。
後述する問題集を解くほうが集中し学習することができた。
GX入門講座を受講すると確認テストを20問受験することができる。
しかし、実際の試験の問題数が50問に対し、20問分の学習だけだと不安であったため、iosアプリ(こちらも公式アプリ)であるGX検定ベーシック対策アプリを解いた。
さらに非公式(だと思われる)アプリであるGX問題集ベーシックでも学習した。

受験するおおよそ1ヶ月前から学習を開始した。
主には通勤時間帯の電車の中で継続的に勉強していた。
おおよそ10~20時間程度の学習時間であったかと思う。

学習方法と学習時間(解いた問題数)
GX入門講座 4時間半程度
確認テスト(GX入門講座に付属) 20問(5回程度反復学習)
iOSアプリ GX検定ベーシック対策アプリ 100問(5回程度反復学習)
iOSアプリ GX問題集ベーシック 100問以上(5回程度反復学習)

実際の試験内容

試験内容は「確認テスト(GX入門講座に付属」と「GX検定ベーシック対策アプリ」で出題された形式とほぼ同じであった。
iosアプリ「GX問題集ベーシック」で出題されていたような具体的な数値を問う問題はほぼ出題されていなかった。
ただし、「確認テスト(GX入門講座に付属」と「GX検定ベーシック対策アプリ」と全く同じ問題は1問も出題されなかった。(類似した問題は散見された)
そのため、テスト用に表面的な勉強を行うだけだと合格は難しく、例えばGXで扱われる各種用語の意味を理解することが大切である。

筆者の試験結果

実際にテストを終えると、直後に以下のように採点結果が表示される。
後日正式に合否に関する連絡がある。
筆者の場合、もともとGXに関する知識を多少身につけていた(業務で使用していた)こともある。
そのうえで、おおよそ10~20時間程度の学習を行い90点以上を獲得できた。

GX検定ベーシックを受験した感想

GX検定ベーシックは今後の脱炭素化にあたっての基礎的な内容であり、建物に限らず省エネ化や再エネを行う理由を体系的に学ぶことができた。
また、これらの背景を理解することで、今後脱炭素化に関する提案をする際にコストメリットだけでなく脱炭素化を行う社会的意義について説明することができるようになると感じた。

まとめ

今回はGX検定ベーシックの概要と受験した感想を紹介した。
GX検定ベーシックはまだまだマイナーな資格である。
そのため、本記事がこれからGX検定ベーシックを受験される方の参考になれば幸いである。

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