こんにちは。
空調機を計画する際には、通常顕熱と全熱の割合から、SHFを算定し、空調機の吹出温湿度ならびに冷温水流量を算定する。
基本的には、上記の手順のみで空調機の計算を行えば、設計上特段の支障はない。
しかし、初めて空調機の選定を行う際には、計算自体が本当に問題ないか検算を行いたい場合もあるだろう。
そういった場合においては、空調機の吹出温湿度と室内温湿度から顕熱と潜熱を求めることが有効である。
今回は、空調機の吹出温湿度から顕熱、潜熱を求める方法を紹介する。
熱負荷計算
熱負荷計算では、主に室内で発生する照明負荷、人体負荷、什器負荷等の顕熱や、人体負荷等の潜熱を積み上げ、室内で発生する熱負荷を整理する。
また、冷温水コイルの選定のため、外気負荷についても別途整理を行う。
通常、熱負荷が大きいほど、必要な空調容量も大きくなる傾向がある。
熱負荷の要素についてより詳しく学びたい方は以下の記事よりご確認いただきたい。
空調機の選定
空調機の選定にあたっては、まず、SHFを整理する必要がある。
SHFとは(Sensible Heat Factor)の略であり、顕熱比という。
SHFにより、空調機からの吹出温湿度を決定する。
空調機吹出エンタルピーと室内エンタルピーより、空調機の吹出風量を算定する。
また、室内負荷と外気負荷の合計値から冷温水コイルに必要な能力を算定する。
SHFについてより詳しく学びたい方は以下の記事よりご確認いただきたい。
空調機能力の検算
空調機の風量より室内負荷の処理能力を確認
空調機を一旦選定しているはずなので、空調機の風量を把握済みなはずである。
そのため、空調機の風量から室内負荷の処理能力を確認する。
処理能力は以下の式で確認可能である。
計算式 |
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室内負荷処理能力[kW] = 1.2 x 風量[CMH] x エンタルピー差[kJ/kg] ÷3,600[kJ/kW] |
室内温度と空調機吹出温度より顕熱処理能力を算定
次に室内温度と空調機吹出温度より顕熱処理能力を算定する。
具体的には以下の式で求められる。
計算式 |
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顕熱処理能力[kW] = 1.2 x 風量[CMH] x 温度差[℃] ÷3,600[℃/kW] |
室内負荷処理能力と顕熱処理能力から潜熱処理能力を算定
室内負荷処理能力と顕熱処理能力から潜熱処理能力を算定する。
具体的には以下の式で求められる。
計算式 |
---|
潜熱処理能力[kW] = 室内負荷処理能力[kW] – 顕熱処理能力[kW] |
熱負荷計算結果と概ね正しいか確認
最後に、顕熱処理能力と潜熱処理能力と熱負荷計算結果が概ね正しいかを確認する。
ただし、空調機算定の過程で、四捨五入等を行っている関係で、完全に一致はしない点だけ注意が必要だ。
まとめ
今回は、空調機の吹出温湿度から顕熱、潜熱を求める方法を紹介した。
空調機廻りの設計について、検算ができるようになっておくだけで、計算が間違っていないか等の不安を払拭することができるはずだ。
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