空気線図でみる各地の温湿度の推移

こんにちは。

日本各地で建物を計画する際には、計画地の外気温湿度を考慮したうえで空調設備を決定する必要がある。
特に最近では、様々な場所で異常気象が発生している。
そのため、空調設備を検討する際にも外気温湿度の確認は必須であると言える。

そういった観点から本ブログでも前回クリモグラフを用いた日本各地の外気温湿度の違いについて紹介した。
詳細はこちらよりご確認いただければと思う。

一方で空調設備を扱う際には一般的に空気線図が用いられることがほとんどである。

今回は、空気線図で見る各地の温湿度の推移について紹介する。

本題に入る前に、まずは空気線図について紹介する。
空気線図とは正しくは湿り空気線図という。
空気線図は主に空気の状態を示す図である。
具体的には乾球温度や湿球温度、相対湿度、絶対湿度、比エンタルピーなどの状態を空気線図より読み取ることができる。
これらの要素のうち2種類の要素の値がわかれば、他のすべての要素の値を知ることができる。
空気線図は主に空調設備設計で用いられる。

空気線図の詳細はこちらで紹介しているため、ご参考いただければと思う。

2024年における日本各地の空気状態

下図に2024年度における日本各地の空気の状態を示す。
なお、気象庁のcsv(アメダス)より得られた各地の月平均温湿度をプロットしている。

最も温度が低い地域は札幌であり、西側の地域ほど温度が高い傾向がある。
また、東京や那覇は相対湿度が比較的高い。

東京の外気温湿度推移(2000年~2020年)

次に東京の外気温湿度の推移について紹介する。
先程と同様に気象庁のcsv(アメダス)より得られた各地の月平均温湿度をプロットしている。
いずれの年も温度の推移は大きくは変動していないが、相対湿度が大きく上昇していることがわかる。

東京の外気温湿度推移(2020年~2024年)

2020年以降の東京の外気温湿度推移について紹介する。
2020年以降はいずれの年においても大きな変化は確認できない。

東京の外気温湿度推移(2024年7月~9月)

さらに細かく情報を確認する。
先ほどまでは月平均外気温湿度で情報を確認したが、下図では時間ごとの外気温湿度をプロットした。
昨年においては最高気温がおおよそ37度程度であった。
また、26度以下の時間帯においては相対湿度が100%を指す頻度も多い。

まとめ

今回は、空気線図で見る各地の温湿度の推移について紹介した。
今後も、設計上外気温湿度条件が不利側に推移するものと思われる。
そのため、外気温湿度の推移については常に注視することが大切であろう。

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