排水桝の用途と図面記号 -塩ビ桝の記号の意味を紹介-

こんにちは。

排水計画を行う際にいつもなんだっけ?と迷ってしまうことの一つに塩ビ桝の図面記号が挙げられる。
建築業界では様々な記号が標準仕様書によって規定されている。
ただ、標準仕様書は比較的簡潔に記載されていることもあり、具体的なイメージがしづらい側面もある。

今回は塩ビ桝の用途と図面記号について紹介する。

塩ビ桝とはプラスチック桝とも呼ばれ、主に雑排水や汚水配管に接続される桝のことだ。
地表面から塩ビ桝を確認すると左図(上)のように蓋が見える。
その下部に左図(下)のような塩ビ桝が設置されている。

また、塩ビ桝の他にもコンクリート桝もあり、これらを総称して排水桝と呼ぶ。

排水桝の役割

排水管内には手洗いの排水から汚物等の固形物まで、様々な排水が配管内を通過する。
そのため、どうしても排水つまりが発生するリスクがある。
そんな時に排水桝が全く設置されていないと、どこで詰まっているのかがわからない。
排水機能に異常があった際に、排水桝蓋を開けて、排水管内を確認するために、排水桝が設けられる。

排水桝の設置間隔

排水設備技術基準で配管径の120倍以内毎に排水桝を設けるように定められている。
つまり、配管径が大きいほど、排水桝の設置間隔も大きくなる。

塩ビ桝の図面記号

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では、塩ビ桝の図面記号は以下の通り規定されている。

塩ビ桝
記号形状桝径口径高さ(深さ)
STストレート200100,125,1501,200以下
90Y90°合流
45Y45°合流
90L90°曲がり
45L45°曲がり
DRドロップストレート

塩ビ桝の形状

ST ストレート

ストレートとは、排水管と排水管を直線でつなぐための排水桝を示す。

90Y 90°合流

90°合流とは、他の排水管と直角で合流させるために設置される排水桝を示す。

45Y 45°合流

45°合流とは、他の排水管と角度45°で合流させるために設置される排水桝を示す。

90L 90°曲がり

90°曲がりとは、配管を90°方向を曲げるために設置される排水桝を示す。

45L 45°曲がり

45°曲がりとは、配管を45°方向を曲げるために設置される排水桝を示す。

DR ドロップストレート

ドロップストレートとは、排水管の高さが他の排水管の高さよりも高すぎる等の場合に高さ調整として使用される排水桝だ。
(排水管は急勾配すぎても、緩勾配すぎてもうまく排水が流れないため、高さ調整のために使用される)

(参考)排水勾配

空気調和衛生工学便覧では、排水管内の流速下限を0.6m/sとすることが記載されている。
また、SHASE-S 206-2009技術容量の排水管径の決定では、排水管内の流速上限を1.5m/sを上限とすることが記載されている。

排水勾配0.6m/s~1.5m/s

排水桝の蓋

排水桝の蓋は塩ビ桝の場合は、T-2,T-8,T-14,T-25等から選択することとなる。
また、コンクリート桝の場合はMHA,MHB,MHD等がある。
詳しくは以下の記事で紹介しているため、是非参考にしていただければと思う。

まとめ

今回は塩ビ桝の用途と図面記号について紹介した。

塩ビ桝の図面記号は記号こそ忘れがちなものの、一度覚えてしまえば、そこまで苦労するものではない。
しかし、排水設備を計画するうえで重要な要素の一つではあるため、確実にマスターされたい。

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