建築設備で使用される給水配管 VA管、VB管、VD管の違い

こんにちは。

建築設備で使用される給水管は様々な種類がある。
その中でも特に似た用語としてVA管、VB管、VD管がある。
だが設計しか行っていないような場合は配管の違いがよくわからないことが実情だ。

今回はVA管、VB管、VD管の違い紹介する。

VA管、VB管、VD管とそれぞれ呼ばれるがこれらはいずれも水道用硬質ビニルライニング鋼管と一括りにまとめることができる。
つまり水道用硬質ビニルライニング鋼管というカテゴリの中にそれぞれの配管が存在することになる。

なお鋼管を意味するSGPは Steel Gas Pipe の略だ。
ビニルを意味するVは Vinyl の略だ。

末尾に使用されているA,B,Dは単にA,B,C順で並べたものだ。
なおSGP-VCは従前は使用されていたようだが現在は使用されていない。

水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管 SGP-VA

出典:
https://www.monotaro.com/g/00360669/

水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管のうち VA管とは炭素鋼鋼管(黒管)の内側に硬質塩化ビニルをコーティングしたものを示す。
主に屋内で使用されることが多い。
また口径が大きくなるとフランジ付きのSGP-FVA管が使用される

項目特徴
配管の特徴炭素鋼鋼管 + (内面)硬質塩化ビニル + (外面)防錆塗装
使用可能温度-5℃ ~ 40℃
耐圧1.0 MPa
主な用途(空調)
主な用途(衛生)給水管、雑用水管
使用可能な場所屋内

水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管 SGP-VB

出典:
https://www.monotaro.com/g/00360670/

水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管のうち VB管とは炭素鋼鋼管(白管)の内側に硬質塩化ビニルをコーティングしたものを示す。
主に屋内で使用されることが多い。
また口径が大きくなるとフランジ付きのSGP-FVB管が使用される

項目特徴
配管の特徴炭素鋼鋼管 + (内面)硬質塩化ビニル + (外面)亜鉛メッキ
使用可能温度-5℃ ~ 40℃
耐圧1.0 MPa
主な用途(空調)
主な用途(衛生)給水管、雑用水管
使用可能な場所屋内、屋外露出

水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管 SGP-VD

出典:https://www.kyosei.com/product/water/waterpipe/kl_lp-2/

水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管のうち VD管とは炭素鋼鋼管(白管)の内外面に硬質塩化ビニルをコーティングしたものを示す。
主に屋外や地中埋設配管で使用されることが多い。
また口径が大きくなるとフランジ付きのSGP-FVD管が使用される

項目特徴
配管の特徴炭素鋼鋼管 + (内面)硬質塩化ビニル + (外面)硬質塩化ビニル
使用可能温度-5℃ ~ 40℃
耐圧1.0 MPa
主な用途(空調)
主な用途(衛生)給水管、雑用水管
使用可能な場所屋内、屋外、地中埋設
(VA管、VB管の方が安価なので実際には屋内では使われない)

(余談)水道用耐熱硬質塩化ビニルライニング鋼管 SGP-HVA

SGP-VA管に耐熱性が必要な場合は水道用耐熱硬質塩化ビニルライニング鋼管が使用される。
VA管との違いは耐熱性の硬質塩化ビニルが塗布されているかどうかの違いだ。

項目特徴
配管の特徴炭素鋼鋼管 + (内面)耐熱性硬質塩化ビニル + (外面)防錆塗装
使用可能温度 ~ 85℃
耐圧1.0 MPa
主な用途(空調)
主な用途(衛生)給水管、雑用水管
使用可能な場所屋内

上水と雑用水の二系統がある場合はどのように使い分けるか

基本的にVA管とVB管ではVA管の方が安価だ。
(VA管の方が材料単価が2割くらい安い)
そのため給水管が上水の一系統だけの場合はVBよりもVA管が使用されることが多い。

だが上水と雑用水の二系統を建物内で使用する場合は配管の誤接続防止を図る必要がある。
つまり配管材料を使い分ける必要がある。
(使い分けない場合もあるが雑用水の誤飲につながる恐れがある。)

そういった場合は慣例的に上水管をVB管、雑用水管をVA管とすることが多い。
(もしくは配管長さが長い方をVA管とすることもある)

まとめ

今回はVA管、VB管、VD管の違いを紹介した。
配管毎に様々な特徴がある。
そのため用途や据付場所に合わせて使い分けていただければと思う。

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