配管の埋設深さと桝蓋 一般部と車両通行部の違い

こんにちは。

人が生活する建物には基本的にどんな建物にも水廻りがある。
水廻りへの給水や水廻りからの排水は公共上水道や、下水道から供給されることがほとんどだ。
これら上水や下水は私たちが普段歩いている地中に埋められている。
そのため衛生設備の外構計画を行う際も上下水を地中埋設で計画することが普通だ。

地中埋設管を計画するときには様々な事項に留意する必要がある。
例えば配管の埋設深さだ。
あまりにも浅い位置に配管が設置されると配管が人や車両の荷重に耐えられない。

また配管だけでなく排水桝蓋やその他桝蓋も耐荷重を意識しないと損傷する恐れがある。

今回は配管の埋設深さと桝蓋について紹介する。

まずは配管の埋設深さについて紹介する。

①土被りとは

土被りというキーワードがよく配管の埋設深さに使われる。
土被りとは地盤面から配管の上端までの距離だ。
例えばVP(塩ビ管)150φ(外径165φ)の土被りが300mmの場合はVPの管芯の高さはGL-382.5mmとなる。

②配管の埋設深さ -標準仕様書-

標準仕様書(機械設備工事編)によれば配管の埋設深さは以下の通りだ。
車両通行部 :土被り600mm以上
その他の部分:土被り300mm以上

車両通行部とは主に車の通行が想定される部分だ。
分かりやすい例だと道路だ。
駐車場も車の往来が多いため車両通行部に該当する。
その他にも敷地内で車が走行されると思われる部分は車両通行部にあたる。

なお排水管については自然勾配による流下が原則だ。
そのため両通行部に該当する部分とそうでない部分を仕分けした上で排水管の深さを決定する必要があることに注意されたい。

(参考)排水管の勾配計算方法は以下の記事からご確認いただければと思う。

③配管の埋設深さ -道路法-

道路法によれば配管の埋設深さは以下の通りだ。
土被り1,200mm以上
(やむを得ない場合は600mm以上)

道路法からの引用であるため、敷地内の埋設配管はあまり気にする必要がない。
但し給水、排水管本管からの分岐部については上記を遵守する必要がある。
(ほとんどの場合は指定工事店が工事を行うこととなる)

③配管埋設深さ -その他の基準-

その他にも配管埋設深さについて規制がかかる場合もある。
例えば寒冷地における配管の埋設深さだ。
多くの場合は自治体ごとに凍結深度を設けている。
その凍結深度以深に配管を計画する必要があるというものだ。
自治体により凍結深度の対象となる配管が異なる。

桝蓋の仕様

次に桝蓋の仕様について紹介する。

①マンホールの蓋 -その1-

蓋の種類耐荷重
MHB5kN
MHA15kN
MHD50kN

マンホールの蓋は主に3種類の耐荷重に分けることができる。
耐荷重には通常kNが用いられる。
換算式:1kN ≒100kg
MHBの蓋は耐荷重がおおよそ500kg程度、
MHDの蓋は耐荷重がおおよそ5,000kgとなる。

MHBの桝蓋はまず車の積載荷重に耐えられないことが容易に想像つくだろう。
(セダン(車の種別)で一般に2,000kg程度の重量。)
そのため基本的に車が通る時点でMHDが必要となる。

②マンホールの蓋 -その2-

蓋の種類耐荷重
T22,000kg
T66,000kg
T88,000kg
T2020,000kg
T2525,000kg

桝蓋にはt○○といった呼び方もある。
例えばT2であれば耐荷重2,000kgの蓋を示す。
T25であれば耐荷重が25,000kgまで耐えることができる桝蓋となる。

まとめ

今回は配管の埋設深さと桝蓋について紹介した。
どの部分に配管を埋設するかにより適切は埋設深さと桝蓋を選定頂ければと思う。

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