【エアバランス】1台の空調機(エアハン)で複数の室を空調する場合 2024.02.03 こんにちは。1台の空調機(エアハン)を用いて複数の室を同時に空調する場合がある。それら複数の室を2種換気で計画する場合、いまいちエアバランスをどのように考えればよいかわからなくなってしまうこともあるだろう。今回は1台の空調機(エアハン)で複数の室を空調する場合におけるエアバランスの考え方を紹介する。 コンテンツ 空調イメージ計画の際の注意点居室の余剰空気とWCの排気風量の関係性外気導入量を制御する場合まとめ 空調イメージ 今回想定する空調イメージは左図の通りとする。平面左下に空調機が設置されており、空調機により2室の居室へ給気が行われる。大半の空気はRAとして、空調機へ還気されるが、外気導入分については廊下へ流出する。廊下へ流出した空気は最終的にWCより屋外へ排気される。 計画の際の注意点 居室の余剰空気とWCの排気風量の関係性 風量バランス 余剰空気 > WC排気量 ⇒ 過剰 余剰空気 < WC排気量 ⇒ 不足 風量のバランスについて余剰空気とWC排気量が釣り合っていれば問題ない。しかし、多くの場合、どちらかが多く、もう一方が少ない場合がほとんどだろう。 釣り合っている場合とは左図を示す。外気導入量が合計で600CMHであり、各室から300CMHずつの余剰排気が発生するとする。排気量が合計で600CMHの場合は余剰空気と排気量がバランスする。 左図の通り、排気量(計1,200CMH)が余剰空気量(600CMH)を上回っている場合は例えば、外気(600CMH)を追加で導入しバランスを取る必要がある。方法は様々だが、廊下から外気を導入するパターンや、空調機へ接続されているOAの外気量をバランスするまで増加させる方法などがある。 反対に左図の通り、余剰排気(600CMH)が排気量(200CMH)を上回っている場合は、排気(400CMH)を追加しバランスを取る必要がある。方法としては例えば、排気口を設けて、余剰な空気を屋外に排気する方法や、WCの排気風量を増加させることが考えられる。 外気導入量を制御する場合 外気導入量を制御する場合にエアバランスが崩れることが多い。例えば外気導入量が半分となった場合は余剰空気も半分になる。結果的にWCの排気量が余剰空気よりも多くなってしまうことがある。 制御により余剰空気が不足する場合に備え、あらかじめ外気を追加で室内へ導入できるように、OAを廊下に見込んでおく方法が考えられる。例えば左図であれば外気導入量が抑制されても、エアバランスを維持可能だ。 まとめ 今回は1台の空調機(エアハン)で複数の室を空調する場合におけるエアバランスの考え方を紹介した。今回紹介したこと以外についても、定常使用室や非定常使用室といった考え方によっても、エアバランスの考え方が変わることも多い。非定常使用室を考慮したエアバランスの計画方法は以下の記事で紹介しているため、是非ご確認頂ければと思う。 非定常使用室を考慮したエアバランスで計画しよう今回はエアバランス第二弾。前回は1部屋単位でのエアバランスについて説明したが、建物全体に水平展開をした話をする。前回のエアバランス第一弾を確認されていない方はこちらから↓ 事務所にはどんな部屋があるか 事務所を例にとってみる。事務所の中には...
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