今回はエアバランス第二弾。
前回は1部屋単位でのエアバランスについて説明したが、建物全体に水平展開をした話をする。
前回のエアバランス第一弾を確認されていない方はこちらから↓
事務所を例にとってみる。
事務所の中には事務室は当然のこと、会議室や会社により食堂などがある。その他打ち合わせ室やエントランス、3種換気とする室においては給湯室やトイレなどがあげられる。
どんな建物でも常時使わない会議室などは存在する
どんな事務所においても常時使われない室や存在するわけでそれらを考慮したエアバランスを計画する必要がある。
特に会議室は一日の中でいったい何時間使用されるだろうか。
ほとんど使用されないのにもかかわらず建物全体のエアバランスの仲間に入れてしまうとエアバランスそのものがおかしくなってしまう。
もし使われていない時間が存在したとすればその室は建物全体のエアバランスの対象にするべきではないと考える。
以下の例を一例に考えてみる。
もし会議室がたくさんあり、それらの室の換気量が建物全体に与えるエアアバランスの過半だとする。
その際にほとんどの会議室が実情として運用されていないとすれば会議室が動いていない分そっくり建物全体が負圧になる。
建物全体が負圧になるということは、意図しない部分から空気が自然流入するということ。
意図しない部分はどこからかというと、よく外部と内部がつうつうになりやすい場所であるエントランスだ。
エントランスの自動ドアがよくピューピュー音がしていることを聞いたことがあるかもしれない。
実際には音が発生するということはそれだけの空気が流入しているということだ。
冬のとても寒い時期に空気が流入すれば当然流入した部分周辺の室温はかなり下がることになる。
だから受付の方が寒そうにしている姿がよくみられる。
そこがエアバランスを考える上で難しい部分であり、設計上慎重に計画を行う部分でもある。
エアバランス計画の方法
少なくとも居室で非定常使用室についてはエアバランスを切り離して考えた方がよい。
切り離さずに考えてもよいがよほど建物内が正圧になるような運用でない限りは計画そのものが難しいだろう。
非定常使用室を建物全体のエアバランスに含めるケース
非定常使用室の場合一例だが、会議室を要因にエアバランスがそもそも負圧とならない場合だ。
どういうことかというと事務室だけで既にエアバランスが±0もしくは正圧である場合、そこにさらに会議室分を加圧しても、逃がしさえ取っておけば特に問題ない。
非定常使用室を建物全体のエアバランスに含めないケース
通常事務室などの常時使用室とWCなどの負圧とするべき室の割合が正圧とならない場合は、別途外気取入れを行う必要がある。
それを会議室などがあるからと言って結果正圧とすると、会議室を使用していない際に負圧となってしまう。
そのあたりの塩梅がかなり難しいところだ。
特にCO2制御を入れていると更に煩雑になる。
上記を考慮すると基本的には非定常使用室は完全にエアバランスの対象から切り離した方が考えが容易になる。
まとめ
結局のところ建物により計画の仕方は全く異なるが、エアバランスを考える上での基本的事項を紹介した。
常時使用しない室は基本的にはエアバランスを切り離して考えることが大切でその点を考慮しないと意図しない外気が流入してしまうことを説明した。
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