こんにちは。
普段設計をしていると様々なダンパーを扱う。
例えば防火区画処理に必要なFDもその一つだ。
他にも何か他の機器と連動させたりするためにはMDが使用されることもある。
風量調整においてはVDが活躍する。
一方でCDはどんな場合に使用されるだろうか。
今回はCDの役割とその設置箇所例について紹介する。
(参考)CD以外のダンパーについても一通り知りたい方は以下のリンクから確認頂ければと思う。
CDはCheck Damperと表記する。
CDは主に空気の逆流を防止するために用いられる。
空気の逆流とは例えばトイレの排気がダクトを通じて居室へ流れ込むなどといった現象だ。
当然臭気があるトイレの排気が居室内等へ流れ込むことで衛生的にもよろしくないだろう。
そういった逆流を防止するためにCDを設置する。
CDは一方向からの空気の流れ以外は阻害されるような構造である。
そのため万が一本来の空気の流れとは異なる空気の流れとなったとしてもCDの部分で空気がシャットアウトされる。
CDの設置箇所例
次にCDの設置箇所例を紹介する。
①系統の異なるダクト合流部、分岐部
系統の異なるダクトの合流部および分岐部に設けることが一般的だ。
例えばA系統の排気ファンしか運転しない場合かつB系統にCDがない場合、B系統側にA系統の排気が流入する恐れがある。
分岐側も同様で意図しない空気が流入する可能性があるためCDを設ける。
②排気ガラリ部
排気ガラリ箇所に対して排気ダクトを複数設ける場合もCDが必要だ。
先ほどの紹介と同様だが排気ガラリ部(厳密には排気ガラリチャンバー部)の空気は大気に解放されたとは言い切れない。
そのため各ダクトにCDを設ける。
もしくは排気ガラリチャンバー部に仕切り板を設けるケースもある。
パスダクトにCDは必要?
建物内には建物全体の風量をバランスさせるため各室間でパスダクトを設ける場合がある。
パスダクトには通常CDは設けない。
これはパスダクト内の空気が自然流入、流出するためだ。
もしパスダクトにCDを設置すると空気の流出入が止まる。
代わりに他の隙間などから音を立てて空気のやり取りがされてしまう。
なお空気の流入出を妨げるほど以下の記事で紹介するような問題も起こるため注意されたい。
CDは点検が必要
通常CDに限らずどのダンパーにも設けるがCD付近に天井点検口等の点検口が必要だ。
そのためダンパーがある部分には必ず天井点検口を建築担当へ要望することをお勧めする。
(直天の部分は除く)
まとめ
今回はCDの役割とその設置箇所例について紹介した。
ダクト平面図を描くにつれだんだんと設けるべきダンパー種別と位置がわかってくるだろう。
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