こんにちは。
設備設計を始めたばかりだと空調と換気の違いがいまひとつわからないという方も多いのではないだろうか。
その中の一つである空調ダクトと換気ダクトの違いについても同じだ。
混乱する一つの要因としては空調と換気を含めて空調設備と呼ぶからだろう。
今回は空調ダクトと換気ダクトの違いを紹介する。
まずは設備名称としての空調と換気の違いを紹介する。
機械設備は大きく分けると空調設備と衛生設備に大別することができる。
その空調設備の中に空調設備および換気設備、排煙設備、自動制御設備が区分される。
つまり空調と換気は設備項目場全く別物になる。
空調ダクトと換気ダクトの違い
空調ダクトと換気ダクトの違いについて紹介する。
空調ダクトは主に空調空気がダクト内に流れているダクト、系統を示す。
例えば空調機からの空気供給用のダクトは空調ダクトに分類される。
一方でファンで外気を室内へ押し込んでいる空気に用いられるダクトは換気ダクトに分類される。
空調ダクトと換気ダクトの見分け方
次にケースごとに空調ダクトと換気ダクトのどちらに分類されるかを紹介する。
換気ダクトの例 その1
左図の例は換気ダクトに分類される。
外気の取入れ、排気ともにファンで押し込んでいるのみで空調を行っていないからだ。
換気ダクトの例 その2
左図の例も換気(ダクト)に分類される。
外気取入れ、排気ともに換気扇(有圧扇)を用いており空調は行われていないためだ。
換気ダクトの例 その3
左図の場合も換気ダクトに分類される。
ファンがなく自然換気のような形となっている。
やはり空調が行われていないため換気ダクトとなる。
換気ダクトの例 その4
次の例はどうだろうか。
全熱交換器を用いた場合だ。
全熱交換器の場合空調ダクトか換気ダクトとするかの扱いが難しい場面かと思われる。
理由としては全熱交換器を介すことにより外気取入空気の温度、湿度が変化するためだ。
だがこの場合も換気ダクトに分類される。
なぜなら全熱交換器では狙った室内温度、室内湿度に制御を行うことはできないからだ。
(成行きで室内温度、湿度に近しい状況となるだけであることが理由)
(参考)全熱交換器とエアコンの違いについてより詳しく知りたい方は以下の記事をご参考頂ければと思う。
換気ダクトの例 その5
外気処理パッケージや外調機を用いた場合はどうだろうか。
結果から先にお伝えすると外気処理パッケージや外調機についても換気ダクトに分類される。
これらの機器は室内温湿度と同じエンタルピーの空気を吹き出しているだけに過ぎないからだ。
つまり室内温湿度が高かろうと低かろうとこれらの機器は一定の温湿度で吹き出すため換気ダクトとなる
(参考)空調機と外調機の違いおよび全熱交換器と外気処理パッケージの違いについてより詳しく知りたい方は以下の記事をご参考頂ければと思う。
空調ダクトの例 その1
次に空調ダクトの例を紹介する。
分かりやすい例でいうと空調機を用いた場合だ。
空調機は室内の温度、湿度より供給空気の温度、湿度が設定される。
(制御方法にもよるがここでは細かな話は割愛する)
そのため空調ダクトに分類される。
ここで設計者により意見が分かれることが空調機のための外気取入れダクト、排気ダクトは空調ダクトと呼ぶのかどうかだろう。
【空調ダクトと主張する方の理由】
・空調機に直接接続されたダクトは全て空調ダクトとする。
【換気ダクトと主張する方の理由】
・空調機とは直接関係ないダクトであるため換気ダクトとする。
この点は永遠に議論したところで収束しないためこれ以上の言及は留めることとする。
なお本項で紹介したOA,EA,RA,SA等についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご参考に頂ければと思う。
まとめ
今回は空調ダクトと換気ダクトの違いを紹介した。
本記事を参考に空調ダクトと換気ダクトの違いについて少しでもご理解の助けになれば幸いである。
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