【これならわかる】CAV、VAVとは MDとの違いについても紹介

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こんにちは。

比較的小規模かつ個別熱源の際にはまず見かけることのないCAVとVAV。
実際にこれらを設計に見込んだことがない方も多いのではないだろうか。
そもそもCAV,VAVが何であるかもご存じがない方もいらっしゃるだろう。
またCAV,VAVを知っていても何がどう異なるのか、もしくはMDとの違いが全く分からないという方もいらっしゃるかもしれない。

今回はCAV,VAVの基本的な仕組みと違い、MDとの違いについて紹介する。

早速CAVとVAVの概要について紹介する。

CAVは英語でConstant Air Volumeと表現する。
つまり定風量装置と呼ぶ。
VAVは英語でVariable Air Volumeと表現する。
つまり変風量装置と呼ぶ。

CAVは常に一定の空気を供給したいときに用いられる装置となる。
一方でVAVは毎回異なった必要風量を供給したいときに用いられる装置となる。

CAVおよびVAVとMDとの違い

前項まで読んだだけだとCAV、VAVと他のダンパー類の何が異なるの?というところがよくわからない方も多いかもしれない。
他のダンパーと異なる部分はCAV、VAVが風速センサーを持っている点である。
風速センサーにより設定されている風量が得られているかどうかをCAV、VAVで判断する。
他のダンパーでは風速センサーを持っていない。
ダンパーごとに開度を調整、設定したとしても本当に設定した風量が得られるかはわからない。

例えば図のように100個の枝ダクトにそれぞれダンパーが設けられているとする。
それぞれの枝ダクトの設計風量が50m3/hとすると合計で5,000m3/hだ。
またすべての枝ダクトに設けられているダンパーが開の時に設計風量が流れるように設定したとする。

例えば全体の半分となるように中央に接続されている枝ダクトのダンパーが閉となった場合を想定してみる。
全体の半分のダンパーが閉なので合計風量は2,500m3/hでよいはずだ。
そのためダクトの一次側に接続されているファンの風量を2,500m3/hに変更する。
だがそれぞれの制気口から吹き出す実際の風量にばらつきが出る。

ダクトの経路が最短となる部分に設置される吹出口からは風量がたくさん得られるようになる。
一方ダクトの経路が最遠となる部分に設置される吹出口からは風量がほとんど得られないといった現象が起こる。
空気も人と同じで最も楽を使用としてダクトから脱出しようと試みるからだ。

もし全てパターンのダンパー開閉の状況毎にあらかじめ各ダンパー開度を自動調整するような設定ができればよいだろう。
だが100の階乗ものパターンがある。
そのためもしダンパー側が対応できたとしても人が全パターンを設定をすること自体が現実的ではない。

続いてダンパーの代わりにCAVを設置した場合を紹介する。

もし先ほど紹介した状況と同じように半分のCAVが閉となった場合。
ダンパーの代わりにCAVが設けられているため風量(風速)に応じCAVの開度が自動的に調整される。

そのためダクトの長さに関わらずどの制気口でも同じような風量が得られる。

VAVもCAVと同じように風速センサーを持っているため風速を監視しながら開度を調整することになる。
一方でMD等他のダンパーは風速センサーを持っていない。
そのためいくらダンパー開度を調整・設定したとしても、状況が少しでも変化した時に本当に意図した風量が出ているかはわからないことになる。

CAVとVAVの採用例

次にCAVとVAVの採用例を紹介する。
(実際には他にも様々な使い方が可能だ。)

外気を各部屋に確実に供給したいとき

例えば各室の使用状況が頻繁に入れ替わる場合。
CAVを導入することで未使用室のCAVを閉とし風量を低減した上で各室に確実に必要外気を供給することができる。

CO2濃度により外気量を絞りたいとき

室内CO2濃度に応じて外気量をコントロールする場合にはVAVが有効だろう。
CO2濃度に応じて風量を比例することが可能だからだ。

室内温度に応じ空調機からの風量を変化させたいとき

例えば給気温度が一定だとする。
その際に各部屋により室内温度にムラが出る可能性がある。
(人員密度や機器発熱、室方位等要因は様々)
そんな時に室内温度に応じて空調機からの風量を比例制御できるようVAVを設置することがある。

まとめ

今回はCAV,VAVの基本的な仕組みと違い、MDとの違いについて紹介した。
CAVやVAVは仕組みや機器の動き方の理解がしづらい機器の一つだ。
そのため実務で少しずつ慣れていただければと思う。

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