こんにちは。
普段設計では全く気にしないことも多いが設計がうまくいかないと施工の段階でよく指摘が挙がるもの。
屋内消火栓と壁の取り合いもその一つではないだろうか。
屋内消火栓の箱を露出形とする場合は全く気にする必要がない。
ただ屋内消火栓の箱を隠ぺい形(壁へ埋め込むタイプ)とする場合にはどうしても壁との取り合いが発生する。
今回は屋内消火栓の役割および屋内消火栓の箱と壁の位置関係について紹介する。
屋内消火栓はある建物の規模を超えたら無条件で設置する必要がある設備だ。
事業所ベースであれば比較的どの建物にも導入されているケースが多いだろう。
屋内消火栓は火災発生時の初期消火の役割として用いられる。
いわゆる消火器と似たような役割を持つ。
消火器との違いはずばりその規模の大きさの違いだ。
消火器は消火器の中にある粉を使用することにより消火を行う。
一方で屋内消火栓は建物にある水源を使用して消火を行う。
従来であれば屋内消火栓は2人体制でないと持てなかったが現在では1人でも容易に消火が可能な易操作1号消火栓や広範囲2号消火栓と呼ばれるものが普及している。
そのため万が一火災が発生した際には屋内消火栓の箱が設置されているところまで駆け付け消火にあたることができる。
屋内消火栓の箱には表示灯と呼ばれる赤く点灯したランプがあるので比較的普段から目にしやすいだろう。
屋内消火栓の箱の中にはホースが設置されているためそのホースを火災源まで延長することが可能だ。
(ホースの長さは30mが一般的だが異なるケースもある)
屋内消火栓と壁の関係性
次に屋内消火栓と壁の関係性について紹介する。
冒頭でも紹介したが露出型の場合は屋内消火栓箱の周囲には壁がないためここでは省略する。
ここで紹介する内容が隠ぺい形の屋内消火栓箱の場合だ。
屋内消火栓を隠蔽するということはその部分には壁を設けることができない。
つまり屋内消火栓の部分だけ屋内消火栓周囲に壁を廻す必要がある。
一方屋内消火栓には配管の接続が必要だ。
そのため屋内消火栓の箱+配管の接続分の寸法を見込む必要がある。
施工業者によってもどの程度空間を吹かす必要があるかといった考えは異なるかもしれない。
屋内消火栓の側面もしくは背面に最低でも150mm程度は配管用のスペースとして見込みたいところだ。
また屋内消火栓の表面(フェース)と壁との位置関係についても紹介する。
屋内消火栓の配管用スペースを側面に見込んだとしてそのままの位置で壁を施工してしまうと屋内消火栓の配管が丸見えになってしまう。
そのため見えないように目隠しの壁として壁を延長する必要がある。
また屋内消火栓の表面(フェース)と壁のすき間をなくすために屋内消火栓の縁を室内側へ少し出っ張らせるようにして壁の開口をうまく隠す。
こうすることで屋内消火栓廻りがきれいな仕上がりとなる。
まとめ
今回は屋内消火栓の役割および屋内消火栓の箱と壁の位置関係について紹介した。
屋内消火栓の役割
・屋内消火栓は火災発生時の初期消火の役割がある。
屋内消火栓と壁の関係性
・屋内消火栓の箱+配管の接続分の寸法を見込む必要がある。(最低でも150mm)
・屋内消火栓の縁を室内側へ少し出っ張らせるようにして壁の開口をうまく隠す。
確かに非常に細かい部分である。
だが納まりを常にイメージしながら設計を行うことで建物がより良いものとなる。
普段日ごろから納まりを意識して設計できるようになりたいものだ。
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