【2管式、4管式?】4管式の範囲 -ファンコイルユニット編-

こんにちは。
中央熱源のシステムを計画している中いつも迷う問題。
4管式の範囲はどうするのかといった問題だ。
最初から2管式が前提であれば何も悩むことはない。
だが明確な意図を持たずに中途半端に4管式としている場合はどの範囲まで4管式としようか迷うこともあるだろう。
今回は4管式についてさまざまなバリエーションとそのメリット、デメリットについて紹介する。

全て2管式

まず最初は熱源機から全てを2管式とする場合だ。
全てが2管式の場合は冷房と暖房の運転は熱源機側の運転に従属する。
そのため熱源機が冷房運転であれば建物全体のファンコイルの運用は冷房もしくは送風のみといった運用になる。

事務所など特段理由がない場合はこの方式となるケースが多い。

各階までは4管式

各階までは4管式とした場合だ。
各階のパイプシャフト内までは4管式となっており取り出すときに2管式とする。
この方式のメリットは各階により空調の野ニーズが異なる場合だろう。
但し各階で2管式となるため階の中で冷房、暖房の同時運転はできない。

各空調ゾーニングまでは4管式

続いてが各空調ゾーニングまでは4管式とした場合だ。
空調ゾーンごとに冷房および暖房運転を行うことができる。
例えば空調ゾーンの分け方としてはインテリア部分とペリメーター部分で分けることだろう。

特にインテリアとペリメーターの場合は1日の熱負荷傾向が異なることから運用上分けるといったことは十分に考えられる。
またどちらにしても空調ゾーンごとに1つのリモコンしか設けない場合もあるだろう。

全館4管式

全館4管式は最も高級な方式となる。
ファンコイルユニットごとに冷房、暖房運転を切り替えることができるからだ。
例えば病院の病室の場合は比較的室内温度が自由に設定できるようにすることが多いかと思う。
そのような場合に4管式は用いられる。

各方式のメリットデメリット

高級な方式を計画する最大のメリットはクレーム対応だろうか。
空調関係で最も多いクレームは室内が冷えないことや暖まらないことだ。
特に2管式で中間期の場合ユーザー側は室内の温度を思うようにコントロールできない側面がある。

一方で最大のデメリットはコストだろう。
2管式を4管式にするだけで配管材料が倍になる。

まとめ

今回は4管式についてさまざまなバリエーションとそのメリット、デメリットについて紹介した。
コストやユーザー側の使い勝手であったりその他空調の必要要件をしっかりと整理したうえで方式を決定することが望ましいだろう。

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