【初心者必見】ハト小屋とは -ハト小屋の意味から用途および必要寸法の計算方法を紹介-

こんにちは。

建築業界に携わると様々な専門用語が飛び交う。
建築業界の専門用語の一つである「ハト小屋」。

ハト小屋と聞いたらハトを飼う小屋くらいしか思いつかないものだろう。
だが意外とハト小屋が何なのか周りに聞くにも聞きづらい。
比較的若い設計者であれば周りにまだ聞きやすいかもしれない。
だが年齢を重ねるごとに自身のプライドを気にしてしまうものだ。

今回は建築業界で使用される「ハト小屋」の意味から用途まで一気に紹介する。

出典:http://nakamomo.blog25.fc2.com/blog-entry-1636.html

ハト小屋はハトを飼うわけではない。
ハト小屋は屋上部分に設けられる建築設備用の空間だ。
左図のように下階からのダクトや配管をハト小屋を介して屋上(屋外)へ展開させるための役割がある。

左図がハト小屋の詳細イメージだ
ハト小屋およびハト小屋内を通るダクト。
その他ハト小屋内で施工を行うために点検口を設けることがほとんどだ。

ハト小屋の用途

以下に各設備毎のハト小屋の用途を紹介する。
(実際には以下に紹介する以外にもかなり幅広い用途がある。)

ハト小屋の用途(例)
空調設備空調ダクト屋上に屋外仕様の空調機を設置する場合
空調配管屋上に冷却塔を設置する場合
空調配管屋上に室外機を設置する場合
換気設備換気ダクト屋上へ排気を集約する場合
排煙設備排煙ダクト機械排煙を設置する場合
自動制御設備制御配線屋上に設備機器を設置する場合
給水設備給水管屋上に散水栓を設置する場合
給湯設備給湯配管屋上にガス給湯器を設置する場合
排水設備排水配管
通気配管各階の通気管を屋上まで設置する場合
ガス設備ガス配管屋上にガス給湯器設置する場合
消火設備消火配管屋上に充水槽を設置する場合

屋上で立ち上げ(ハト小屋)が必要な理由

左図にハト小屋を設けない場合のおさまりイメージを紹介する。
建物屋上から建屋内への漏水防止のため通常屋上には防水層を設ける。
ハト小屋を設置せずにダクトや配管が屋上床を貫通すると必然的に防水ができない範囲が発生する。

これを「防水が切れる」と呼ぶ。
つまりダクトの貫通部を介して建屋内に雨水が流入してしまう。
(実際には防水の上にさらに押さえコンクリートを設置する。
だが説明が複雑になるので割愛した。)

ハト小屋の算定

次にハト小屋の各必要な寸法について一例を紹介する。
(実際には様々な形状のハト小屋があるためあくまでも一例)

ハト小屋の必要高さや必要な幅について左図に紹介する。

ハト小屋の高さ

・防水の納まりの関係で最低でも600mm程度防水が立ち上がる。
・さらに余裕を少し見て保温を加味したダクト、配管下端が屋上床レベルから700mm程度の位置に計画。
・保温を加味したダクト、配管上端からさらに150mm程度上部の隙間を確保。

ハト小屋の幅

・施工中にハト小屋内で人が作業できるように最低でもダクト、配管から600mm以上は空間を確保。
・特にダクトの場合はダクトの曲がりを考慮してハト小屋の幅を決める必要がある

(参考)ハト小屋の大きさ計算ツール

参考としてハト小屋の大きさ計算ツールを以下に紹介する。
使用されたい方は以下のリンクを参照頂ければと思う。

まとめ

今回は建築業界で使用される「ハト小屋」の意味から用途まで一気に紹介した。
ハト小屋はなかなか聞きなれない専門用語だ。
だがハト小屋は覚えてしまえばそこまで難しい用語でもない。
そのためこれを機にぜひ覚えていただければと思う。

コメント