こんにちは。
空調設備や衛生設備を計画する際、膨張タンクやクッションタンクを計画することがある。
これらのタンクを計算する際には、システム全体の保有水量を事前に把握する必要がある。
保有水量は大きく配管内の保有水量と機器自体の保有水量に大別される。
機器自体の保有水量はメーカーのカタログや仕様書から把握が可能だ。
しかし、配管内の保有水量は配管長さを拾った上で計算により導き出す必要がある。
今回は配管内の保有水量の算定方法を紹介する。
保有水量とは
保有水量とは空調システムや給湯システム内に実際に循環している水量(総量)のことを示す。
空配管の状態から水を満たんにするために必要な水量と同等となる。
配管が長いほど、また、機器が多いほど保有水量が多くなる傾向にある。
下図の例では、熱源機より右側の保有水量(青と水色の線の部分)と熱源機より左側の保有水量のことを示す。
配管内の保有水量と機器内の保有水量
保有水量は大きく、配管内の保有水量と機器内の保有水量に大別することができる。
機器内で保有することになる水量であるため、カタログや仕様書から確認することができるはずだ。
一方で配管内の保有水量は配管径と配管長から計算して求める必要がある。
保有水量の計算方法
鋼管の保有水量の計算方法
鋼管の1mあたりの保有水量は左図の通りとなる。
配管径が大きいほど1mあたりの保有水量が大きくなる。
SUS管の保有水量の計算方法
SUS管の1mあたりの保有水量を左図に示す。
鋼管とSUS管の配管径が同じだとしても、保有水量が異なることが特徴だ。
これは、配管の呼び径は同じだが、配管のの内径が異なることが理由だ。
配管内の保有水量の計算例
計算例1 ー鋼管ー
例えば、以下の場合における鋼管内の保有水量を確認する。
・32A・・・10m
・50A・・・10m
32Aの1mあたりの保有水量は1Lであるため、1L/m x 10m = 10Lとなる。
また、50Aの1mあたりの保有水量は2.20Lであるため、2.20L/m x 10m = 22Lとなる。
つまり、合計で32.0Lとなる。
計算例2 ーSUS管ー
例えば、以下の場合におけるSUS管内の保有水量を確認する。
・30Su・・・15m
・100Su・・・10m
30Suの1mあたりの保有水量は0.78Lであるため、0.78L/m x 15m = 11.7Lとなる。
また、100Suの1mあたりの保有水量は9.56Lであるため、9.56L/m x 10m = 95.6Lとなる。
つまり、合計で107.3Lとなる。
まとめ
今回は配管内の保有水量の算定方法を紹介した。
算定方法の原理を理解しておけば、保有水量の算出自体はそこまで難しくはないため、是非習得していただければと思う。
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