【考え方が重要】設備計画_BCP(事業継続計画)の考え方

普段設備計画を行うにあたり切っても切れない関係性にあるBCPの際の設備計画。
時にはBCPを前提としたうえで設備システムを検討する必要がある。
停電など比較的軽度なものをはじめ近年頻発している震災や水害など様々な災害に備えあらかじめ計画することが常とされつつある。
もしある建物の設備計画がBCPに対して全く考えられていない建物だとすれば、いざ災害などの緊急性の高い自体が発生したとしても建物側がそれに対応していないためいわゆるソフト側(人側)ではどうしようもできない事態となる恐れがある。
考えれば考えるほど難しいBCPだがどのように考えて全体を整理するべきかを一例として紹介する。

BCPとは

よく古今で呼ばれるBCPとはいったい何なのか。
BCPとはBusiness Continuity Planの略称でBuisiness=事業, Continuity=継続, Plan=計画を示す。
まあ読んで字のごとくといった感じだがつまるところは緊急時においてどのように事業を維持しようかといったことを事前に計画だてましょうといったことだ。
当然企業によってはBCPなんて必要最小限で十分といわれる場合もある一方でデータセンターなど事業の損害が他社を巻き込んで結果として相当な損害となるケースもある。

例えば最近有名な出来事として以下に紹介する。
北海道某所で発生した地震に対する某データセンターについてだ。
地震発生後インフラ供給が完全にストップし施設内で保有している燃料だけでサーバー電源をはじめサーバーの空調などサーバーに必要な設備を賄わなければいけない状況が発生した。
某データセンターは発電機を約3日分抱えたこともあり災害後約60時間は復旧しなかったインフラ供給に対して持ちこたえることに成功した。
それはあらかじめ発電機系統とする設備や災害時に生かす機器の区分、その容量計算などが全て整理されていたからこそ大きな問題なく発電機による供給でことなく終えたわけだ。
(但し一方で需要家からはそもそも発電機が動くことになるような環境が問題だとの指摘が相次いだようだが。。。)
もしこのような災害発生時に発電機が動かなかったらと考えると企業間での損失は計り知れないものとなる。
それだけBCPの計画は大切なのだ。

BCPの考え方

まず最初に考えることは建物の耐震性だろう。
いわゆるどの程度の地震等の災害に対して建物自体が耐えられる構造とするかといったところのレベル決めを行う必要がある。
最近となっては免震構造の建物が徐々に増えてきているほど耐震性に対する世間の関心は一層広がっているものと思われる。

上記を行った次に考えることといえば浸水被害に対する想定だ。
某東京のマンションにおいて最近発生したことといえば発電機を地下に設置していたがために水害時に発電機自体を使うことができなかったケースだ。
実際に建物が竣工してから時間がたっているため当時では水害を想定していなかったものと思われる。
特に水害については最近トレンドになったキーワードであることもありほとんどの建物が水害に対して配慮ができた建物ではない。
そんな水害時についても今後は配慮していく必要がある。

上記基本方針が決まった後は災害時に建物をどのように使用するかを考える必要がある。
こればかりは業種や業務内容に依存することもあるためクライアントと十分に打合せを行う必要がある。
主には以下の通り。
①災害時においても主要な業務を行う室
 →災害時にも使用する事務室など
②主要な業務を行うために必要な支援室
 →サーバー室やサーバー室を維持するために必要な空調、換気設備、また災害時においても使用が想定されるWC等
③危険物などの貯蔵室
 →災害時に爆発しては大変なので必要な措置を講じる必要がある。
④その他活動上必要な通路
 →①と②、③を結ぶ通路など

上記を決定したうえでどのような空調、換気、衛生設備を設置する必要があるかを考える必要がある。
例えば空調であれば部分的に個別熱源とするかもしくは中央熱源の二重化を行うかなど。
換気設備であれば対象とする換気機器を他の系統とは切り離しておく必要があるかなど。
衛生設備であれば災害時に必要な上水量や排水槽容量などの確保の考え方や災害用WCの設置有無など。

これらを総合的に考える必要がある。

まとめ

今回はBCPの定義やBCPの重要性について紹介した。
またBCPの重要度に応じた建物としての在り方や設備計画について紹介した。
今回は概要のみの紹介とはなったが上記基本的方針に基づいて1つずつ順番に整理していけばおのずと答えが見えてくるはずだ。
今後はある事例を基にBCPの考え方について紹介できればと思う。

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