施工中に作成される総合図とは

はい。こんにちは。
皆さんは総合図という言葉をご存じだろうか。
建築業界で働いていると本当に様々な言葉を耳にする。
今回はそんな総合図とは何ぞやから総合図が作成されるタイミングなどを紹介する。

総合図とは

そもそも総合図とは何なのか。
意外と建築に携わっている方以外もたまに耳にする言葉だ。
特に建物利用者はこれから建物が建てられるぞというときに実際に確認を頂く必要があるので聞く機会があるかもしれない。

この総合図が建物が実際に建てられる前の最終確認の図面となる。
ここまでお話ししても総合図とはいったい何なのかが想像できないことが多いかと思う。

総合図とは主に設備関係をプロットした図面を言う。
主に総合図に出てくる内容は以下の通り。

【空調関係】
・室内機の位置、数量
・室内機のスイッチの位置
・制気口の位置、数量
・換気ファンのスイッチの位置
・厨房などでは排気フード等

【給排水関係】
・給排水の位置
・給湯の有無(ガス湯沸かし器などの場合は湯沸かし器の位置も)

【電気関係】
・照明の位置、数量
・照明のスイッチの位置
・コンセントの位置、数量
・LANの位置、数量
・時計の位置、数量

その他にもいろいろとあるが上記のような情報が詰め込まれた図面が総合図と呼ばれる図面になる。

総合図でどのように確認するか

今まで総合図を見たことがない方からしたら総合図で何を確認すればよいかがわからないかと思う。

例えば照明の配置について。
変な話照明の配置について、素人目からしたらどんな照明が適正かなぞ確認するすべがない。
それで入居者に確認してもらったから問題ないなどと言われたらたまったものではないかと思う。
そういった状況になったときは何をもってこの照明の配置が適正かを設計者へ確認するべきだ。
設計者は何かの根拠に基づいて照明の数量や明るさを設定しているはずなのでその根拠があれば入居者自身も安心できるだろう。

他にわかりやすいところとしてはコンセントの位置や数量だ。
特にコンセントの場合は実際にそこでどんな作業を行うかを想像することで必要なコンセントの数と位置が見えてくるかと思う。
例えば住宅の場合だが寝室においてはスマートフォンのコンセントが1つにパソコン用にコンセントが1つ、その他プリンターや扇風機用にコンセントが必要、他にも人によりスタンドライト用にコンセントが必要だったりするかと思う。
後はそれらをどのように配置するかを考えてみればおのずと必要なコンセント数と場所がわかるはずだ。

他にも給排水関係もわかりやすいと思う。
その部屋に水廻りが欲しいのかどうか。
必要な場合はお湯が必要かどうか。
コンセントよりも簡単だろう。

実際にその室を使用すると想定したうえで総合図に記載の各プロットについて順番に要否を考えていけば総合図の読み方はそこまで難しくはないだろう。

総合図が作成されるタイミング

通常総合図は現場段階に入ってから各インフラの最終確認として作成されることが多い。

通常建物の設計から建物が竣工するまでの間には以下の工程がある。

①基本計画
②基本設計
③実施設計
④施工
⑤竣工

総合図は上記でいう④施工の段階で作成される。
そのためその段階では基本的には総合図に記載のあるプロットのみの変更しかできないことが多い。
(施工の段階で建築プランについての変更を行う場合は②基本設計まで立ち戻ってしまい工期の遅れに直結する。)
しかもその変更は極端な増減がない範囲での変更となるため総合図が本当に最終確認としての立ち位置となることは了承いただかなくてはならない。
そういった手戻りをなくすためにプランや基本的なインフラ条件については②基本設計のタイミングで各入居者へのヒアリングを事前に行っていることが多い。

まとめ

今回は総合図についての紹介および総合図が作成されるタイミングについて紹介した。
なかなか聞きなれない言葉ではあるが意外にも建築建設関係に従事されていない方も耳にする可能性がある。
どのように総合図を見たらよいか迷った場合はとにかくその室の使われ方を想像してみるとそれぞれのインフラについて本当にその位置でよいのかどうかを決定できるかと思う。

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