こんにちは!
今回はとある方から質問を受けて筆者も少し悩んでしまった議題を検証してみることにする。
その内容というのも室外機の吹き出し温度について。
室内機の吹き出し温度はよく語られるものの室外機の吹き出し温度は全く相手にもされていない議題かと思う。
多摩に議題に上がるとしても室外機の熱だまりを検証したりする程度で吹き出し温度が何度であるかとかはあまり気にされない。
そのため今回は室外機と室内機の関係性をターゲットに室内機と室外機の吹き出し温度までをざっくりとだが試算してみることにする。
意外と複雑に見えて結構簡単なフローだ。
(発明された方は偉大だが)
室外機と室内機は冷媒といわれるガスでつながっている。
そのガスが温度上昇や降下を繰り返し気体になったり液体になったりしながら室内の空気をコントロールしている。
まずは室内機の空気を冷やすためにはどうしたらいいかを考える。
室内機の空気を冷やすのだから冷媒の温度は熱交換の兼ね合いからどうしても温度が上昇する。
温度上昇した冷媒がそのままサイクルしていてはそのうち室内機の空気は冷えなくなってしまうわけで、そこでヒートポンプと呼ばれる仕組みが存在する。
冷媒を圧縮したり膨張したりすることで冷媒の温度を操作してあげるわけだ。
空気も同じだが空気を圧縮することで空気密度が小さくなることから温度が一気に上昇する。
一方膨張させることで温度を下げることができる。
この原理を用いることで冷媒自体を冷やしたいときは圧縮し外気と触れさせて熱交換してあげることで冷媒の温度を効率冷やすことができる。
一方で熱を室内機に与えたいときは冷媒を膨張させ温度を下げることで室室内機の空気を冷やすことができる仕組みだ。
ちなみに暖房の時は上記をは全く反対のフローだと考えていただければよい。
室内機の風量と温度差を考えてみる
次に室内機の能力と風量の関係から吹き出し温度差について考えてみる。
上の表に記載の冷房能力、暖房能力および定格風量は某社カタログより抜粋した。
各冷房能力と暖房能力、風量より以下の式で冷却温度および加熱温度を算出した。
なお室内温度はJIS条件に基づいた数値とした。
冷却温度[⊿℃]= 冷房能力[kW] x 3.600[kJ/kW] / ( 空気密度(1.2) x 定格風量(CMH))
加熱温度[⊿℃]= 暖房能力[kW] x 3.600[kJ/kW] / ( 空気密度(1.2) x 定格風量(CMH))
上記式より冷却温度および加熱温度を算出したのちに吹き出し温度へ反映させた。
冷房能力については実際に13[℃]以下で吹き出すことは考え難いが一応上記表のような結果となった。
(13℃以下で一般に結露が発生する恐れがあるため)
室外機の風量と温度差を考えてみる
室内機と同様に室外機についても考えてみることとする。
基本的な考え方は全く同じで室内機同様に以下の式で考えてみる。
なお外気温度はJIS条件に基づいた数値とした。
加熱温度[⊿℃]= 冷房能力[kW] x 3.600[kJ/kW] / ( 空気密度(1.2) x 定格風量(CMH))
冷却温度[⊿℃]= 暖房能力[kW] x 3.600[kJ/kW] / ( 空気密度(1.2) x 定格風量(CMH))
結果冷房時においては概ね5~7℃程度の温度上昇がみられた。
一方で暖房時においては約5~8℃程度の温度低下がみられた。
まとめ
今回は室内機と室外機の冷却加熱プロセスの概念の紹介および室内機室外機の吹き出し温度についてメーカーカタログより算出を行った。
需要がないからか今回試算した内容のようなウェブを今まで発見することができなかったが豆知識として頭の片隅に入れていただければと思う。
コメント