空調負荷率とは -概念や計算方法を紹介-

こんにちは。

建物の一次エネルギー算出の際や、空調エネルギーを算出する際によく「空調負荷率」といった言葉を耳にすることがある。
普段設計や施工では、空調負荷率を使用することがないため、どういった意味7日がわからない方も少なくない。
しかし、近年では建物の省エネ化も求められるようになり、今後、頻出するであろう用語の一つでもある。

今回は空調負荷率の概念や計算方法を紹介する。

空調負荷

普段空調設備計画を行う際、各室の熱負荷に基づいて、空調機器の選定を行う。
熱負荷とは、冷暖房に必要な負荷を示し、空調負荷とも呼ばれる。
熱負荷は、建物の駆体による負荷や、日射負荷、照明負荷、人体負荷、外気負荷などから構成される。

空調負荷率

通常、熱負荷計算では、年間を通じて最大の負荷となる時刻(日)の熱負荷を計算する。
また、最大となる熱負荷を処理可能な空調機器を選定する。

しかし、実際に一年間空調を行うと、ほとんどの時間は空調機器が100%で動くことはない。
地域や空調の運転条件にもよるが、年間で平均すると空調機器は30%~40%程度で動いている。
この何%で動いているかが空調負荷率と呼ばれる。

空調負荷率の計算方法は以下の式で示される。
空調負荷率はよく、冷房時空調負荷率や暖房時空調負荷率、年間空調負荷率などと呼ばれることが多い。

計算式
空調負荷率[%] = 空調負荷[kW] ÷ 空調機器定格能力[kW]

空調負荷率の傾向

冷暖房負荷月別変動比[%]
冷房負荷暖房負荷
5月23%11月17%
6月53%12月41%
7月83%1月97%
8月100%2月100%
9月50%3月41%
10月17%4月7%
※出典:建築設備手帳

建築設備手帳では、標準的な空調に対して、月別の空調負荷率が紹介されている。(左表参照)
ピークとなる夏期や冬期を除けば、ほとんどの期間は低負荷での空調の運転が行われている。

空調負荷率計算例

以下に空調負荷率の計算例を紹介する。

計算例①

最大熱負荷2kW
年間熱負荷500kWh
運転時間500h
平均負荷500kWh÷500h=1kW
平均負荷率1kW÷2kW=50%

計算例②

最大熱負荷6kW
年間熱負荷1000kWh
運転時間500h
平均負荷1,000kWh÷500h=2kW
平均負荷率2kW÷6kW=33%

まとめ

今回は空調負荷率の概念や計算方法を紹介した。
空調負荷率は考え方さえわかれば、そこまで難しくない内容である。
そのため、この機会にぜひどういった意味や使い方をするのかマスターしていただければと思う。

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