大温度差送水と空冷モジュールチラーのCOP 2026.03.08 こんにちは。近年では、省エネへの期待の高まりから、様々な省エネ手法が確立している。熱源空調システムの送水温度差を変更する大温度差送水も省エネ手法の一つである。現在では大温度差送水を導入することが一般的である。大温度差送水を導入することで、冷温水の送水量が低減しポンプ動力を低減することができる。しかし、実際にはポンプ動力のみならず熱源機の効率も変動する。今回は外気温度別、送水温度別、送水温度差別の熱源機COPについて紹介する。 コンテンツ 大温度差送水の概要外気温度別COPの推移冷房時COPの推移暖房時COPの推移送水温度別COPの推移冷房時COPの推移冷房時COPの推移まとめ 大温度差送水の概要 大温度差送水とは、熱源機と空調機器(空調機、ファンコイルユニット、空調機コイル等)との間を循環している冷温水の温度差を拡大する運用方法を指す。一般的な空調システムでは往還温度差を5℃程度で設計することが多いが、大温度差送水ではこれを例えば8℃程度まで拡大するように設定する。 出典:空港脱炭素化事業推進のためのマニュアル[空港建築施設編] 冷温水の温度差を大きくすることで、同じ熱量を搬送する場合でも必要な循環水量を小さくすることができる。搬送する熱量は「流量×温度差」によって決まるため、温度差が大きくなれば必要流量を減らすことが可能となる。この結果、配管内を流れる水量が減少し、ポンプで搬送する際に必要となる揚程や動力を低減することができる。特にインバータ制御ポンプと組み合わせることでポンプ消費電力を大きく削減でき、搬送動力の削減による省エネルギー効果が期待できる。さらに、設計段階から大温度差送水を想定した場合には、配管径の縮小やポンプ容量の低減につながる可能性もあり、設備コストの最適化にも寄与する。一方で、冷温水の温度差を大きくすることによるデメリットも存在する。循環流量が小さくなるため、空調機器側での流量制御やバランス調整が難しくなる場合がある。特に部分負荷時には流量がさらに低下するため、コイル内の流速が不足し熱交換性能が低下する可能性がある。また、制御弁の制御性が悪化したり、系統バランスが崩れやすくなることもある。これらの課題に対応するためには、適切な弁選定や差圧制御、二次ポンプ制御など、システム全体を考慮した設計・運用が重要となる。 外気温度別COPの推移 冷房時COPの推移 送水温度5℃差、7℃差、10℃差の三種類を比較した。D社のUWXY85GLの仕様書より外気温度別の冷房能力と消費電力よりCOPを算出した。外気温度が低いほどCOPが高い傾向があり、外気温度が高くなるほどCOPが低下した。また、わずかではあるが、送水温度差が大きくなるほど冷房時COPが上昇した。 暖房時COPの推移 送水温度5℃差、7℃差、10℃差の三種類を比較した。D社のUWXY85GLの仕様書より外気温度別の暖房能力と消費電力よりCOPを算出した。外気温度が高いほどCOPが高い傾向があり、外気温度が低くなるほどCOPが低下した。また、わずかではあるが、送水温度差が大きくなるほど暖房時COPが上昇した。 送水温度別COPの推移 冷房時COPの推移 送水温度5℃差、7℃差、10℃差の三種類を比較した。送水温度が高いほどCOPが高い傾向があり、送水温度が低くなるほどCOPが低下した。また、わずかではあるが、送水温度差が大きくなるほど冷房時COPが上昇した。 冷房時COPの推移 送水温度5℃差、7℃差、10℃差の三種類を比較した。送水温度が低いほどCOPが高い傾向があり、送水温度が高くなるほどCOPが低下した。また、わずかではあるが、送水温度差が大きくなるほど暖房時COPが上昇した。 まとめ 今回は外気温度別、送水温度別、送水温度差別の熱源機COPについて紹介した。送水温度差によって熱源効率(COP)が変動するため、設計する際には省エネと制御性の両面から送水温度差を設定することが望ましい。
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