こんにちは。
大便器の計画を行う際にどんな大便器を選定しようかと迷うことがある。
特に最近では様々な種類の大便器がある。
給排水方式についても同様に大便器によって様々だ。
見た目にも大きくかかわる部分もあるため、意匠設計者との十分な打ち合わせも重要だ。
しかし、大便器選定の際に各給排水方式について、十分理解しておくことも重要だ。
今回は大便器の給排水方式の種類について紹介する。
大便器の給排水方式は大きく以下の4種類に大別される。
床置大便器では、床給水や壁給水、床排水、壁排水などにより3種類に細分化される。
また、壁掛大便器は性質上、壁給水、壁排水となる。
給排水方式 | ||
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① | 床置 | 床給水・床排水 |
② | 壁給水・床排水 | |
③ | 壁給水・壁排水 | |
④ | 壁掛 | 壁給水・壁排水 |
床置大便器と壁掛大便器
床置大便器
床置き大便器とは、大便器が床に設置されている大便器を示す。
床から支持を取るため、壁の強度等は気にせずに設置が可能だ。
壁掛大便器
壁掛大便器とは、壁に固定されている大便器を示す。
壁から支持を取ることとなるため、壁に補強が必要となる。
多くの場合はライニングが設置されており、ライニングで大便器を支持する。
床給水と壁給水
床給水
床給水とは大便器へ床から給水管を接続する方式を示す。
よく大便器後部もしくは、大便器斜め後ろ側に給水管が立ち上がっている光景を目にしたことがあるだろう。
壁給水
壁給水とは大便器へ壁から給水管を接続する方式を示す。
多くの場合は、ライニングも併せて用いられることも多いが、ライニングは必ずしも必要ではない。
床排水と壁排水
床排水
床排水とは大便器の排水管を床に接続する方式を示す。
床置大便器であれば床排水を行うことが可能だ。
(壁掛大便器は便器が床に設置しないため、床排水モデルの大便器がない)
壁排水
壁排水とは大便器の排水管を壁(ライニング)に接続する方式を示す。
床置大便器、壁掛け大便器ともに対応が可能だ。
大便器の種類と給排水方式の選び方
床置大便器と壁掛大便器の違いで選ぶ
床置大便器と壁掛け大便器の違いを断面で示すと、左図の通りとなる。
床置大便器は床に設置する一方で、壁掛大便器はライニングに対して設置される。
床置大便器のメリット |
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費用が安価であることが多い |
壁掛大便器のメリット |
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床の清掃が容易になる |
壁掛大便器の大きなメリットとしては清掃が楽になる点だ。
しかし、ライニングの設置が必要であったり、大便器用に補強を行う必要があったりと、高価になる傾向がある。
一方で床置大便器は費用が安価となりやすい。
しかし、大便器と床の境になる部分にゴミが貯まりやすい等もデメリットもある。
床給水についても同様のことが挙げられる。
床から給水管が立ち上がる以上、その周辺をモップが通らない等といったことも考えられる。
なお、床置大便器にはいわゆる高級品モデルが存在する。
そういったモデルを選定する場合には、壁掛大便器よりも大幅に高額となる点だけは注意が必要だ。
用途で選ぶ
建物の用途で選択することも考えられる。
特に住宅用の場合は、ライニングを計画しない場合がほとんどだ。
そういった場合には床置大便器を選択することとなるだろう。
納まりで選ぶ
特に大便器の排水が構造体と干渉するかどうかは、一つの判断指標となる可能性がある。
計画段階であれば、トイレの配置計画そのものを見直すことで解消できることが多い。
しかし、そうではない場合は大便器の排水方式を変更することで、上手く納めることも場合によっては可能だ。
まとめ
今回は大便器の給排水方式の種類について紹介した。
それぞれの特徴を理解することで、意匠設計者との意思疎通もよりスムーズに行えるうえに、適正な大便器を選定することが可能だ。
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