こんにちは。
トイレ廻りの詳細設計を行う際に「ライニング」といった専門用語が飛び交うことがある。
建築業界ならではの専門用語でもあるため初めて聞いた方は戸惑うことも少なくない。
日本ではライニングがとても広く浸透している。
今回は建築業界で使用されるライニングの意味と用途を紹介する。
左写真に小便器とライニングのイメージを紹介する。
例えば小便器であれば小便器背面に壁を一部ふかされている。
このふかされた部分をライニングと呼ぶ。
左図に断面イメージを示す。
最近の小便器は壁付けとされていることが多い。
壁付けの小便器背面にライニングが設置されている。
ライニングの用途
特に壁付けの衛生器具の場合で空間をきれいに見せるためにはライニングが必須だ。
壁付けの衛生器具の場合は給水も排水もライニング内を通すことが多い。
ライニングが設置されていない場合は配管を一部露出して衛生器具へインフラを接続することが考えられる。
もしくは壁の反対側に十分なスペースがある場合は壁越しにインフラを整備することもあ考えられる。
ライニングの幅
大便器用のライニング幅は250mm程度、小便器用のライニング幅は200mm程度が普通だ。
実際に取り付ける衛生器具の仕様書にも必要なライニングの幅について記載があることが多い。
そのため厳格な寸法を求める場合にはこれらの仕様書を参考にされるとよいだろう。
必要なライニングの幅を含めトイレ全般の配管計画について知りたい方は以下の記事を参考にしていただければと思う。
ライニングは日本だけ?
日本では当たり前のように衛生器具廻りにライニングがセットで計画される。
だが海外では実際にほとんど見かけることがない。
(ライニングの文化が根付いている国もあるとは思うが)
左図に海外での配管計画イメージを示す。
海外では壁をふかして計画を行うことが多い。
そのため二重壁のようなイメージとなる。
日本ではライニングに物を仮置きすることが多く非常に便利に感じられる。
一方で海外では盗難に遭うリスクや、そもそもそんな繊細な部分まで気にして設計を行っていないといったことが考えられる。
(あくまでも個人の所感だ)
まとめ
今回は建築業界で使用されるライニングの意味と用途を紹介した。
特に建築設備に従事しているとどうしても意匠側との調整でライニングについて意見を求められることが多い。
ライニングの意味と用途をあらかじめ理解しておくことでスムーズな打ち合わせができるはずだ。
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